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SOUU's CounterAttack 「曹宇 プレイリポート」(その6)
双魏(245年〜
蜀を滅ぼし、呉に圧力を掛けつつ、魏の侵攻を完全に封じている曹宇軍。
その勢力は既に中国大陸の3分の2くらいを占めており、
民たちもこの世に新しい主が誕生したのだと感じていました。
「曹宇様! 民意に従い是非とも帝位に就いて戴きたい。」
つーか、お前、誰よ?
「寿春」の宮廷で呉征伐の軍勢を整える指揮をしている曹宇の前に現れた老人。
えーと、えーと、王朗じゃないか、あんた仲間になってたっけ?
「かなり昔からお仕えしていましたが……。」
ごめん、ごめん、あれ〜、そうだっけ?
曹宇も焦って家臣名簿を見てみますが、あらホント、
何年も前に家臣になっていて、しかも結構偉い地位に就いているわ。
多分、曹宇軍黎明期に仲間になったんだろうな。
「んで、曹宇様、帝位には就いて下さいますね?」
んー、どうしよう兄上?
と、いつもは隣にいるハズの曹沖に意見を求めますが、
「あれぇ? 兄上どこいった?」
そうだった、軍師は諸葛亮になったんだ。
曹沖や曹植は、一応一族ということで重用し高い官爵を与えているんです。
そのお陰で大量の軍勢を率いる事を許されておりまして、
いま、各地で大忙しで戦っていると思います。はい。
「そうだった、えーと孔明、どう思う?」
「えぇ、良いお考えかと存じます。まぁ、アレでも皇帝でしたので、」
アレってのは劉禅のコトかなぁ?
たしかにアレに比べれば曹宇の方がマシだよなぁ。
「曹丕に対抗している勢力だと万民に知らせる為にも良いお考えかと、」
王朗もウンウンと頷いています。
「王朗殿も(足りない)オツムで良く考えたと思いますし(ニヤニヤ)」
「な、な、何を無礼な! ワシをバカにしているのか!」
「いえいえ、それは考えすぎ、そんな事はありませんよ(ニヤニヤ)」
演義では王朗を憤死させたという孔明の弁舌ですが、
なんかこのリプレイの孔明、嬲っているような嫌らしさですな。
「よし、わかった。朕は今日からマ王ならぬ皇帝になるぞ。」
それでは国号を決めないといけませんね。
えーと、公孫サンのときは頭の1文字を取って『公』としたのですが、
なんかアレな感じがしますので、今回はちゃんと考えてみようと思います。
うーん、うーん、何がいいかな。やっぱ「晋」かなぁ?
でも涼州の方から攻めあがってきたんだから「涼」ってのもありか?
いっそのこと「楚」とか「斉」とかにするかねぇ?
いやいや、ここはウケ狙いで「萌」とか? ……これは何時か使おう。
「殿、ここは、こういう国号でどうでしょうか?」
諸葛亮が曹宇の耳元で怪しげに笑みを浮かべながら、
ごにょごにょっと耳打ちをしました。
「……うむ、良い考えだね。国号は『魏』とするぞ。」
んで、いろいろ考えた挙句に決めた国号がなんと『魏』っ!!
そうです、魏に対抗するもうひとつの魏がここに誕生したのです。
どっちが正統な魏なのか、白黒ハッキリつけようじゃないか、そんな感じで、
「んで丞相は諸葛亮、大都督は曹肇で決定。」
うわぁぁ〜〜〜〜〜〜ん、
ん? 誰かが泣きながら夕陽に向かって走っていったぞ?
あぁ、魏延か、ごめん魏延、君はどこに行っても諸葛亮より下にされるんだね。
ま、そんなブロークンハートな魏延は放っておいて、
新たなる「魏」が生まれたとの報は「ギョウ」にいる曹丕にも届きますわな。
「た、た、大変ですぞ!」
「五月蝿いぞ、仲達、なんだそんなに息を切らしてっ!」
「た、た、大変なのです。」
大変なのは解ったから落ち着け。
「魏の反乱軍が魏を名乗りましたぞ! おのれ魏め、これは魏に対する挑発に御座います。」
「……えーと、すまん、いまいち意味が解らないのだが?」
うん、これじゃ意味解らん。
とりあえず落ち着け、
「ですから、曹宇が魏帝を名乗ったのでございます。」
「なにぃぃぃぃ!! (ぷちっ)おおぅ、頭が痛い、眩暈がする。後は頼んだぞ仲達……。」
なんと、ここで曹丕崩御っ!!
曹丕は司馬懿に曹叡のコトを頼むと言うと、そのまま激動の人生を終えたのでした。
あっけない、呆気なさすぎるぞ曹丕、わたしは何を目標にゲームを続ければいいんだ!?
わたしがパニックを起こし混乱状態に陥っている間にも、
号外「文帝崩御」の報は「寿春」にいる曹宇にも届くワケで、
「まーた、また、そんなタイミングで、そんな事あるワケねぇ〜。」
いやね、確かに凄い良いタイミングというか、
あまりの出来事にわたしもディスプレイにお汁が飛ぶくらい笑ったけど、
「いいえ、これは偶然ではないのです。」
そこにスっと現れるのはバルブ時代を彷彿とさせる羽々がフワフワと揺れる扇子のあの方、
そう、天才軍師にしてビームを撃つ化け物、諸葛孔明その人だったりするのです。
「王朗殿をからかっている時に思いついたのですが、」
かなり性格悪いなぁ、今回の孔明。
孔明ファンの人、ごめんなさい。
「遠隔地の人物を憤死させてみようと思いまして、」
羽扇で口元を隠すとプププププっと笑いを堪える孔明。
そりゃそうだ、クリティカルに効いちゃったもんなぁ。
「それで魏という国号を推薦したんですが、クククク、大成功っ!!」
ひぃひぃ言いながら笑う孔明ですが、
問題はこれから、
「どうしよう? 冷徹で怖い兄上だけど死なれると困るんだよなぁ。」
打倒曹丕を謳ってココまで来た曹宇、
曹宇だけじゃなく、その仲間達の目標が無くなっちゃいました。
ま、これで魏はひとつにまとまり、天下統一に向かって突き進めば良いだけかな?
「た、た、大変です。」
そんなところに駆け込んできたのは前線で戦う曹肇の側近。
血相を変えて飛び込んできた彼ですが、
「知ってるよ、兄上が死んだんだろ?」
「それはそうなんですが、曹叡様が、曹叡様がぁっ!!」
後継者は曹叡、ホントは曹宇と仲良しさん。
曹宇としては曹叡と戦いたくないし、
曹叡もきっとそう思っているに違いないと考えていたんだよ。
「反乱軍討伐の為『ギョウ』『小沛』『濮陽』『北海』『平原』『下ヒ』から、
それぞれ大軍が出陣し我らの『寿春』『陳留』に向けて侵攻中でございます!」
あれ? あれれ?
どこにそんな余力があるんだろ?
それに仲良しさん設定なのに……。
「正統な魏は我らである。
父が如何なる手段を弄したとしても祖父曹操の後継者は父曹丕であり、
後継者争いに敗れた曹植、曹沖、曹宇が挙兵したのは、
理由は何であれ、魏に対する反逆である事に間違いない。
祖父曹操に恩ある者が正統な後継者たる余に仇なすとはもってのほか、
義ある者ならば誰の元に馳せ参じるべきか理解できるだろう。」
曹叡は黄河を渡り「陳留」を守る為に出陣した曹休を混乱させ、
官渡港に釘付けにしました。確かに曹操に恩ある曹休にとって、
かなり痛いところを突かれたような形ですな。
「司馬懿、羊コ、王濬隊は曹休隊を火攻めにせよ。」
混乱して動けない曹休隊は火計によって大ダメージ。
ここまで巨大化した曹宇率いる魏軍、久しぶりのピンチです。
すぐさま援軍を送り込みはしましたが、
「『小沛』の王双隊に『陳留』攻撃を命じよ。
我が隊は曹休隊に引き続き攻撃を続ける。」
っと、まぁ、華麗な指揮に曹叡率いる魏軍の士気も上がります。
いかん、いかんぞ、これは、
「彭祖、我らは北上し『小沛』に対し攻撃を仕掛ける。」
曹沖は夏侯献らと一緒に騎兵を率い出陣。
軍師は諸葛亮に譲ったものの知力が高い曹沖が部隊にいれば、
敵の計略なんかに簡単には引っ掛からないしね。
で、その出陣間際の曹沖に声を掛ける諸葛亮センセ、
「曹沖殿、追い返すだけで宜しくお願い致します。」
「……? もしかして、はやくも呉が動きましたか?」
魏と魏の戦いに便乗して荊州南部に残る呉軍が出陣、
益州で新たに配下にした元蜀将達に兵と物資を輸送させつつ、
曹叡魏軍の攻撃を防ぎ、防いだ後は引き返して呉軍を討つ、
あー、もー、行動力がいくらあっても足りないよ。
「呉を先に討ち後顧の憂いを無くしましょう。」
諸葛亮センセは簡単に仰るけど、
荊州南部の都市はいいよ、でも長江の向こうにある建業はどうすんの?
「柴桑」攻めで痛い目に遭っているわたしとしては水軍が得意な人が欲しい。
「南荊州攻略に曹肇殿を向かわせると良いでしょう。
あそこには陸抗と諸葛恪がいるハズ、彼らを捕えましょう。」
諸葛亮センセの言う通りやっているつもりですが、
相変わらずしつこく攻めてくる曹叡魏軍をギリギリで追い返しつつ、
残り少ない行動力で荊州南部を切り取っていきます。
かなりツライ、敵はそんなに強くないけど行動力が足りない。
二つの戦場を掛け持ちするのは耐えられるけど、
三つ、四つとなるとキツイね。兵士の補充も兵装の生産も十分に出来ないんだ。
「ギョウ」から黄河を挟んで南下してくる曹叡魏軍相手の戦場1つ、
「小沛」「濮陽」から陸路を西進してくる曹叡魏軍相手の戦場1つ、
「建業」から桜船で延々と「廬江」を攻め続ける呉軍相手の戦場1つ、
そして南荊州で水軍適性の高い武将を捕えようと奮戦する曹肇で戦場1つ、
……どうするよ、これ?
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