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SOUU's CounterAttack 「曹宇 プレイリポート」(その2)
詩聖彷徨(230年〜
一時的に「漢中」を攻略した魏軍でしたが、
蜀軍は最防衛拠点である「漢中」を奪回すべく、
もはや老齢に達したものの、それでも蜀軍の主柱たる趙雲率いる4万騎が出陣。
「曹植様、このままでは守りきれません!」
そう、何故か「漢中」に曹植がいるんです。
こんな最前線で、しかも補給戦が途切れかかっている都市、
槍働きとは全く無縁な曹植、これじゃ死ねと言っているようなモンです。
「……仕方あるまい長安の兄上に援軍を要請するのだ。」
ところが「安定」「天水」を失い曹宇軍との戦いに疲弊していた魏軍に、
「長安」から援軍を出す余力も無く「漢中」は再び蜀の手に落ちました。
曹植の運命や如何に? と、いったところですが、その頃「武威」では?
「兄上、ここは蜀と手を組むというのはどうでしょうか?」
「彭祖の言う通りだが、少しタイミングが遅かったかもしれないな。」
蜀と同盟を組むことによって魏に対して全ての兵力で当たれます。
曹宇は早速使者を送ろうと思ったのですが、
「曹宇様、大変です。蜀軍が『天水』に向けて出陣!」
「な、なんと!?」
山中の桟道を蜀軍が猛スピードで進撃。
確かに蜀としては、魏の内乱に乗じて「天水」「安定」経由で
「長安」を攻撃するチャンスなのです。まさに第一次北伐!
「落ち着くのだ彭祖。」
曹沖はケ艾、夏侯献を天水に配置し、粘り強く対応すれば大丈夫だと判断。
ところが魏軍は、この混乱に乗じ「長安」から「安定」に向けて行軍を開始。
これに対し姜維、曹肇が迎撃。「長安」付近で激突したのです。
魏軍の将は夏候覇、是非とも仲間にしたい猛将です。
「我等に大義あり、魏軍の将よ、その眼で真実を見極めよ!」
いやね、姜維やっぱ凄い頼れるわ。
夏候覇を計略で混乱させた後は、もうやりたい放題。
曹肇が夏候覇を捕縛すると、やっぱり仲良しの姜維が夏候覇を登用。
これに慌てたのはむしろ蜀軍。
姜維と夏候覇が騎兵で一気に「天水」まで援軍にきたモンだから大変。
しかも長い進軍によって兵糧が不足し始めた蜀軍は撤退を余儀なくされたワケで、
「姜維殿、兵糧で思い出しました。『長安』の兵糧はそれほど無いハズです。」
夏侯覇の言う通り「長安」は度重なる戦闘で兵糧が不足していました。
あぁ、それならばこの勢いに乗って「長安」攻めちゃえと、
ケ艾、姜維、夏候覇、曹肇、夏侯献を投入し一気に攻略してしまったのです。
ところ変わって「漢中」、
場面がコロコロ変わってややこしいなぁ。
「なんと、反乱軍が長安を攻め滅ぼしたと?」
「丞相、今からでも遅くは無い。山越えで長安を攻撃しよう。」
「漢中」では反乱軍の予想外の行軍に衝撃を隠せない二人がいました。
それは蜀の丞相、諸葛亮、そして魏延の二人でした。
にしても、魏延ってば山越え奇襲好きだなぁ。
「いけません。魏の反乱軍の動きはコチラの予想を超えています。」
「そんな臆病な考えでは、何時まで経っても北伐は成功しない。」
「ここは相手の出方を見極めるべきです。」
諸葛亮の考えも虚しく、
夜中「漢中」を勝手に出撃した魏延隊は道無き道を突き進みました。
その数、なんと1万2千余「漢中」攻略と
その後の「天水」攻撃で激減した「漢中」の残存兵力の約半分、
「曹沖様の言う通り、蜀が動き始めましたな。」
ケ艾、姜維、夏候覇、曹肇、夏侯献がそのまま長安から飛び出し、
計略によって混乱した魏延を捕らえる曹肇、
あまりの手際のよさに魏延は驚きましたが、同時に面白いと感じました。
魏という大きな勢力に、僅かな兵と実力で抵抗していく曹宇軍。
自分の居場所として最適なのは蜀ではなく、この曹宇軍なんだと、
「……ほぅ、という事は、曹宇様は曹植殿の事を知っておられるのか?」
魏延はそのまま曹宇軍に投降し、降将としては破格の待遇で迎えられました。
彼らの境遇を知った魏延は以前「漢中」で捕らえた曹植の事を思い出したのです。
「子建殿が『漢中』にっ!?」
これはチャンスなのかもしれない。曹沖はそう考えました。
曹丕に後継者争いで敗れたとはいえ、
曹植には僅かなりとも魏という国に影響力が残っているかもしれない。
曹植を慕った将達がコチラに助力してくれるかもしれない。
魏延を中心に諸葛亮が戦略的に退いた「漢中」目指す曹宇軍は、
魏延が「長安」へと向かって通ってきた山中の険しい道を逆に辿っていきました。
僅か数千に減った兵力では「漢中」を守れるわけもなく、
曹宇軍は労せず「漢中」を攻略したのです。
「……倉舒、彭祖なのか? 噂は本当だったのか?」
蜀に降っていた曹植は曹沖、曹宇と面会、
彼らが本物だと解かった後、曹宇軍に投降しました。
そうです、ともに曹丕を討つ為に……。
233年10月、曹宇軍はこの事実を前面に押し立て、
魏に対して本格的に反抗を開始、
魏延、曹植を得て更に勢い増す曹宇軍、果たしてこのまま魏を滅ぼし、
中国大陸を統一できるのでしょうか?
「つーか、今回ギャグ無しだったね。兄上。」
「彭祖、大人ってのは、そういうコトを黙っているもんだぞ。」
鼎立瓦解(232年〜
「漢中」という地は蜀漢にとって最終防衛地点と言っても過言ではありません。
蜀漢首都「成都」を狙う為には桟道を通り「梓潼」経由するか、
はたまた険しい獣道の山中を通るかの違いはあれど、
その起点は必ず「漢中」から始まるようになっています。
逆を言えば漢中を抑えていれば蜀を攻める事も、
数少ない大切な自国を守る事も可能という事になりますよね?
「なんで? なんでワシは曹宇軍に入っても漢中太守なんだ?」
曹宇は、その大事な大事な漢中の守備を魏延に命じました。
これは降将としてはすごい重用されているのですが、
「曹宇様、たしかに嬉しいような気はするんだけどさ、」
「魏延将軍、なにかご不満でも?」
「せっかく反乱軍という燃える展開なのに守備専門はどうかと?」
その反乱軍ってのヤメれ。
「だって、反乱軍といったら奇襲にゲリラに首都急襲だぜ、おいっ!」
ハリウッド映画も真っ青な展開ですな。
気がついた時にはもう遅い「許昌」に迫り来る魏延率いる精鋭特殊部隊。
撃退したと思っても油断できないぞ、闇夜に紛れて敵将暗殺、どんなもんだ。
うん、かなり楽しそうな雰囲気。曹宇もかなり乗り気になりました。
「じゃぁ、かわりに『漢中』を守れるような人を見つけて来てよ。」
「あー、それなら心当たりがあるんだよなぁ。」
魏延がやって来たのは「漢中」の城壁の外で待機中の曹肇隊の陣中、
漢中攻略戦にて最後まで「漢中」を守ろうと頑張ったのか、
それとも逃げ遅れたのか、他の仲間たちを逃がすために殿になったのか?
詳しいお話は知りませんが、つい先日捕らえた王平に会いにやってきたのです。
「こ、これは魏延殿、もしかして助けに来てくれたのですか?」
どうやら王平は魏延が曹宇軍に入ったのを知らない様子、
「それもそうなのだが、今日、実は良いものを持ってきたのだ。」
「良いモノとは?」
「これ、この書類に目を通してみろよ。かなり良いモノだぞ。」
分厚いカーボン紙を何枚も重ねた用紙をベラベラと見せる魏延、
かなり怪しげです。めちゃくちゃ怪しげです。つーか怪しいです。
「申し訳ない、それがし、字は読めないんですよ。何と書いてあるのですか?」
そうでした、彼は文盲なんですよね。たしか10文字程しか読める文字が無いとか、
しかし口答の命令を理解し十二分に働くなんて立派ですよね。
ま、そんな王平に挙動不審な魏延、
「オレらってホラ、身体が資本だろ?」
「そうですな。それより、ここから逃げましょう。」
「そんなオレらが怪我をしたら稼げない。稼げないと喰っていけない。」
「それは困りますな。」
うんうん、と納得したように頷く王平、
「そこで、この保険だよ。日帰り入院でも1日につき金5が支給されるオトクプラン」
「ほぉほぉ、」
「お申し込みは今すぐ、この契約書にサインをチョロチョロっとな。」
「チョロチョロっとですな。」
さっと出されたボールペンを持たされて、
なんか、スラスラっと書いちゃったよ。この人。
「はい、これで王平殿は曹宇軍の仲間入り、漢中太守おめでとう。」
「……はぁ? え? なんで?」
契約書って怖い。
いいですか、契約書は隅々まで読んでサインするなり押印するなりしましょうね。
「……いや、それがし字が読めないもので……。」
「大丈夫、『漢中』で迫り来る蜀軍をバッタバッタと倒せばいいだけだよ、」
「いやいや、そういう問題では……。」
「魏から降り、蜀からも降り、もう行くところは曹宇軍しかないんだぜ?」
そうしたのは誰よ?
というツッコミ虚しく行き場を無くした王平は必死になって「漢中」を要塞化、
そりゃそうだ、蜀に捕らわれても魏に捕えられても反逆した罪に問われるかも、
そう思うと王平は死に物狂いで「漢中」を守らざるえない。
こうして「漢中」の地理に詳しい王平は、
「梓潼」から通っている桟道の出口付近に砦を築き、その周囲に軍楽台を建築、
砦を盾に弩兵が後方から火矢を撃ち込み、軍楽台で気力を維持、
あとは建設要員が砦を修復し続ければ、なんと無傷で蜀軍を追い返せるという、
実際に趙雲が来ても無傷で撃退、馬超が来ても無傷で撃退、
まさに難攻不落の要塞を作り上げたのでした。
王平が「漢中」の守備についてから蜀軍の動きを完全に封じた曹宇軍は、
「天水」「安定」「武威」を策源地とし兵糧、軍資金を前線へと輸送、
これによって曹肇、夏侯献、諸葛誕および途中で捕えた文聘は、
「長安」から「洛陽」まで大軍を持って進出しました。
魏延、ケ艾、姜維、夏候覇は蜀領「上庸」を攻略後、
魏領「宛」を「洛陽」の曹肇、夏侯献隊と挟撃、
曹丕は耐え切れなくなり「許昌」へと撤退しました。
魏は東へ、東へと撤退を繰り返し、
蜀は「漢中」を完全に奪われ「襄陽」との補給戦が寸断。
現時点で三国鼎立という妙なバランスの上で成り立っていた勢力図は、
第四の勢力が大きく進出したことで瓦解し、
三国鼎立ゆえの、それなりの治世を取り戻したかに思えた大陸は、
再び戦絶えぬ乱世へと猛烈な勢いで向かって行くのです。
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