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SOUU's CounterAttack 「曹宇 プレイリポート」(その1)
冷徹な兄貴に逆襲の曹宇(プレイ前
前回の孟獲リプレイはストレス溜まりまくりでした。
孔明が引き篭もって出てこないからね。
頭にきたので今回は武力で大陸統一を目指します。
といっても、曹操や劉備で普通にプレイしても面白くない、
今回は以前このサイトの掲示板にご提案くださった綾女桜さんの案で、
ちょっと変わったリプレイを始めたいと思います。
> ●綾女桜(255) 題名:初めまして 投稿日 : 2006年3月16日<木>20時24分
> とちさん、皆さん、初めまして。
> 『ぷろとたいぷ』の綾女桜(あやめざくら)といいます。
> リプレイ、いつも楽しんで見ています。
> 次は『三國志11』をすると聞き、
> 不躾ながら見てみたいリプレイがありますので、書き込みました。
>
> 主人公:曹宇(字・彭祖)
>
> 天才児・曹沖の同母弟で、曹魏最後の皇帝・曹奐の父。
> 演義では何故か曹叡の弟(曹丕の子)になっている、
> ちょっとマイナーな彼での天下統一を見てみたいなー…と。
>
> シナリオは年代的にも末期限定になってしまいますが、
> リプレイ連合内の「曹家内乱・魏延反乱」みたいな
> 仮想シナリオでのリプレイも見たいかな、
> と思っています(無理ならいいです)。
>
> 乱文失礼しました。新リプレイも楽しみにしています。
確かに曹宇とはマイナーな武将ですね。
どんな人か簡単に解説しておくと、こんな感じです。
曹操と環夫人の間にできた子で燕王に封じられた人ですね。
曹魏最後の皇帝「曹奐」の父で、
甥の曹叡とは寝食を共にした大変の仲良しであったようです。
曹叡は病に倒れると曹宇を筆頭に夏侯献、曹肇、秦朗に曹芳を補佐させようとしたが、
孫資や劉放の讒言により、逆に中央から遠ざけられてしまった人のようです。
この設定を使うのも楽しそうですが、
残念ながら現時点の三国志11には魏の君主が曹叡というシナリオはありません。
曹丕が君主というのが年代的に一番最後のシナリオになっています。
そこで以下のような設定にしたいと思います。
とりあえず、予め断っておきますが、
今回は思いっきり仮想設定のプレイですので、ご了承ください。
・
・
・
父、曹操が亡くなってから
兄である曹丕はわたしたち兄弟に対する冷遇をさらに強くした。
父は生前、曹丕を後継者とするか、曹植を後継者とするか悩んでおられた。
その曹植は兄嫁である甄氏に想いを寄せているのだという、
これが曹丕の心配を更に強めたのであろう。
いや、正確にはもっと前の出来事かもしれない。
父は曹沖、わたしの同母兄である曹沖を大変可愛がっていたという。
自らの後継者は曹沖だとも考えていたらしい……。
それを知って曹丕や曹丕派の諸将達が面白いはずもない。
曹丕派は、謀によって当時幼い曹沖の食事に毒を混ぜたのであろう。
兄(曹沖)はそれを知り偽者を立て、
自らはわたし(曹宇)の元へと逃げ込んで来たのである。
わたしは父にその事を伝えようとしたのだが兄はそれを遮ったのだ。
「いま世の中は戦に乱れ、後継者問題によって家が潰れることも多々ある。
我等がここで騒げば、父の足元も揺らぐであろう。
本来ならば、現時点でもっとも後継者となるべきは曹丕であり、
わたしの存在は混乱の種にしかならぬ。」
兄はそう言いならが、わたしの屋敷の給仕として身を隠し生きてきた。
わたしにはそれが耐えられなかったのである。
父の葬儀に伴い文武百官が集う今こそ好機と、
わたしは『曹沖は生きている』事を明かし、
曹丕派の将達の反応を見たいと思ったのである。
曹植、曹彰といった兄達もきっと立ち上がってくれると信じて、
しかし、その計画は何故か事前に漏れており、
わたしは曹丕派の諸将に宮廷から追い出されてしまったのである、
失意のまま屋敷に戻ると兄が慌てて荷物をまとめろと言う、
「お前も殺されかねない、落ち延び時を待つべきであろう。」
どうやら曹丕派は兄の生死の真実を知ってしまったようだ。
あの冷徹で緻密な曹丕の事、父の後を継ぐ前に各々の兄弟の弱みを握る為、
それぞれの身辺調査を指示していたのかもしれない。
そして兄の存在を知ってしまった。わたしの計画を知っていたのもその為であろう。
翌日から、わたしは兄と共に西へ、西へと逃げ続けた。
辿り着いたのは「武威」、そしてその地で野へ下った。
身分を隠し静かに暮らす日常、それも悪くは無いと思っていた。
兄もまたそれを望んでいるかのようであった。
しかし世の中というのは何があるか分からないものだ。
遠く離れた「南皮」、以前のわたしの任地である。
風の噂によると急に消えたわたしを民が不審がらないよう、
なんでもわたしの偽者が治めているのだという。
その偽者の曹宇に面会を求めた者がいた、
曹肇、夏侯献、秦朗、以前から付き合いのある将である。
彼らは曹丕と仲違いしたわたしを心配し訪ねてきたのであろう。
だが南皮にわたしは居なかった。
彼らは曹丕派の思惑を知り、曹沖の生死の真実を知った。
こうなってしまっては彼らもまた曹丕派に命を狙われる、
ある者はわたしのように偽者を立てられ、またある者は任地を追放された。
彼らは様々な困難を乗り越え、ようやくわたし達の下へと辿り着いたのである。
「曹沖様を中心に今こそ立つべし!」
曹肇、夏侯献、秦朗、そしてわたしの思いは同じであった。
「だが、ここで我等が動けば、世はまた乱れる。」
「しかし、曹沖様!」
兄の想いもまた正しいであろう。
だが、逆に言えば曹丕派の悪事を暴く事が出来るのは我等しかいない。
この事は我等しか知らぬのだから、
「……わかった。」
長い沈黙のなか兄はついに首を縦に振った。
そして続けて「条件がある」と呟く、
「彭祖、頼みがあるのだが、聞いてくれるか?」
「はい、兄上、なにか?」
兄は静かにこう言った、
「わたしは身体が弱い故軍務には向かぬ、指揮はお前が執るのだ。」
兄が気付いた時には既に遅く、
毒は致死量では無かったものの、その身体を蝕んでいた。
兄の成長は常人より大幅に遅かった、
いや、遅いだけではなく未だ子供のようである。
「なに、気にする事はない、わたしはお前の屋敷の給仕だからな。」
兄はニコリと笑って見せた。
そして曹肇らを見渡して言う、
「皆も良いな?」
「もちろんです、いまから我等は曹宇様の家臣。」
「我等を蹴落とした曹丕派を倒しましょう。」
「そして何時かは曹宇様の天下を!」
こうして曹肇、夏侯献、秦朗と、
我等兄弟の戦いが始まったのである。
以下は我等の戦いの条件設定である。
・シナリオは225年7月スタートの「南蛮征伐」
・ゲームレベル「上級」/討死「多い」/能力変動「有効」/妖術落雷「有効」
・女性武将「史実武将」/イベント「全て発生」
・血縁/人間関係/相性/性格/登場は「史実」
・ただし寿命は「長寿」にしています。
・最終目標は大陸統一/初期位置は武威
また、以下は曹宇軍の初期配置武将である。
曹宇 統率50 武力43 知力37 政治52 魅力60
槍兵B 戟兵B 弩兵C 騎兵C 兵器C 水軍C 特技「なし」
曹沖 統率31 武力21 知力85 政治79 魅力83
槍兵C 戟兵C 弩兵C 騎兵C 兵器A 水軍B 特技「仁政」
曹肇 統率74 武力72 知力75 政治68 魅力79
槍兵A 戟兵A 弩兵B 騎兵A 兵器B 水軍C 特技「捕縛」
秦朗 統率58 武力70 知力35 政治15 魅力42
槍兵B 戟兵C 弩兵C 騎兵B 兵器C 水軍C 特技「なし」
夏侯献 統率75 武力68 知力77 政治71 魅力82
槍兵A 戟兵A 弩兵B 騎兵A 兵器B 水軍C 特技「能吏」
っという設定でリプレイを行います。
そういや秦朗って曹操に可愛がられ、曹丕とは結構仲良しだったっけ?
曹肇、夏侯献ってどんな人? と言った具合に色々設定不足はあると思いますが、
身体は子供、頭脳は大人、名探偵コ○ンのような状態の曹沖を軍師とし、
強大な魏軍との戦いが始まります。
プレイ前の舞台裏も苦労したのよ(プレイ前 その2
ここ最近、わたしはリプレイ前に
連載に耐えられる内容になるかテストプレイをしています。
つまり「2〜3年で滅亡しちゃった、あはは、」と一瞬で終わるコトのないように、
目標達成の可能性がそこそこあるプレイをしているワケですが、
実は、この曹宇リプレイ、テストプレイを3回ほど繰り返しております。
最初は曹宇、曹肇の二人で晋陽にて旗揚げしました。
夏侯献は一説によると夏侯覇の子だというし、
曹肇は曹休の子という説がある、そのため年齢的に夏侯献は登場してないんだよね。
ところがプレイしてみたら即滅亡。こりゃダメだ。
次は年齢を考慮しないで曹宇、曹肇、夏侯献、秦朗で晋陽に割拠してみる。
曹宇と秦朗は三国志11オリジナルと同じステータス。
曹肇、夏侯献も新武将作成時は曹宇と同じくらいのダメ武将だったのだが、
二人を70〜60後半の能力値にしてちょっと強くしてみた。
しかし襄平の公孫恭が滅びると魏軍の猛攻によって滅亡。
ついに3回目のテストプレイ、
兵力不足も苦しいが武将不足も苦しい、そこで曹肇に【捕縛】の特技を持たせる。
兵力不足も苦しいが兵装不足も苦しい、そこで夏侯献に【能吏】の特技を持たせた。
【捕縛】は敵部隊壊滅後、必ず敵将を捕らえる特技であり、
【能吏】は兵装生産時、生産量が増えるという特技である。
また軍師役が欲しいので曹沖も生きているコトにした。
曹宇は曹沖の同母弟なので、生きていれば仲も良いであろう……。
あれ? 曹丕と曹彰と曹植も同母兄弟だったなぁ、う゛ーん。ま、いいか、
これで晋陽にて旗揚げ、3〜4年は十二分に耐えられたけど、兵糧不足が苦しいな。
常に魏軍に攻め続けられる上に、コチラから攻めるにしても相手の都市が遠すぎる。
もうひとつ、蜀や呉の最前線から遠く離れている為……ぶっちゃけつまんない。
数年耐えられることも解ったので、初期都市を「武威」にしてプレイ開始しよう。
蜀との戦線が近いので集中攻撃される事も無いだろうしね。
曹宇、反乱の狼煙をあげる(225年〜
「武威」といえばMAP最北西端の辺境の地、騎馬の名産地なんだろうけど、
いまはとりあえず兵糧と軍資金の確保が最優先、
曹宇軍の武将達は一斉に農場と市場を建設しまくった。
これまでのテストプレイの経験から数ヶ月は魏軍も動かないだろうと予測してのコト。
実際、魏軍も自領に施設を建築するのに忙しい様子なのだが、
さすがに武将の質も量も豊富な魏、コチラの予想より早く「武威」に向けて出陣。
やはり曹丕にとって曹沖を擁立している曹宇の存在はかなり目障りなのだろう。
なにしろ姜維、ケ艾といったこの世代のスーパー武将を、
魏王朝の皇帝である曹丕自ら率いて攻め込んで来たのですよ。
その数4万超、
「兄上、如何致しましょう?」
慌てる曹宇、そりゃそうでしょう。
我等が曹宇軍は総兵力僅か2万5千程度、
普通に考えたら勝てる相手じゃありませんからね。
「彭祖、土塁と弓櫓を建設して進入を阻むのだ。」
なるほど「武威」への進入経路は最北西端だけあって限られている。
谷に挟まれた街道上に土塁を築き、その両脇に弓櫓を建設し、
土塁を背に槍兵を任された曹肇隊が待機、その隣に弩兵の夏侯献を配置、
秦朗は次々と前線へと補充兵を輸送し続けるというシステマチックな陣構え、
これで敵の武将を捕らえ次々と仲間に加えていけば、
いつかはコチラから攻めれるってなもんだ。
「これは手強い陣構えですな。」
魏軍は次々と援軍がやってくる。
今度は諸葛誕、これで総勢5万近くの大兵団、
あまりの兵力差に動揺広がる曹宇軍だったが曹沖の激励が飛ぶ、
「全軍、諦めるな、もう少しで楽になる。」
曹沖の声に驚くのはむしろ魏軍、噂には聞いていたがホントに生きていた。
しかも十数年と全く同じ姿の曹沖様が敵の軍中にいるんだから仕方ない。
どうする? どうしよう? ホントにコイツら偽者の逆賊?
「えぇぃ、怯むな! 死者の魂を弄ぶ邪術の徒に騙されるな!」
いつもは冷静沈着な曹丕が声を荒げる、
そうだ、生きていたら30歳近いハズ、
幼いままの曹沖様の姿にはそっくりだが、
生きているハズがないのだ。
「これだけの戦力差、いかに倉舒が天才だとしても我等に負ける要素はない。」
確かにそうかもしれない。
曹丕の言う通りかもしれない。
だけど、やっぱり曹丕は動揺していたんだろうな。
「陛下、大変です。兵糧が、兵糧が尽きました!」
「がびーん!!」
がびーんという台詞もどうかと思うけど、
守り、守り、どこまでも耐え続けた曹宇軍の狙いは、
実のところ大兵力の相手だからこその最初から兵糧不足狙い。
今度は慌てて撤退し始める魏軍を追って追って斬って斬って斬りまくる。
武将の質も量も、兵力の差も最初から想定済みなのさ。
ボロボロになった姜維、ケ艾、諸葛誕を後ろから突撃し捕縛、
ざまぁ見ろってんだー。
「長安から補給物資を輸送しろ。届き次第、すぐさま武威を攻略するぞ!」
敗戦に怒り狂う曹丕は、
天水、安定、長安の物資を集中させ、再び武威攻略の軍を動かす。
そりゃそうだろう。負けるはずのない相手に翻弄されたのだからね。
で、曹丕が壊滅した軍を必死になって立て直している頃、
「……あの、……本物?」
「うん、本物。」
「マジで?」
「うん、本物。」
「ウソだぁ〜。」
「でも、本物。」
うーん、ケ艾、諸葛誕、姜維が曹沖や曹宇の顔を知っているとは思えない。
「信じられないよなぁ。」
「わかった、特殊メイクかCGってのはどうだ?」
「あぁ、なるほど、うんうん。」
これで「武威」に連れて帰ったら見張りをなぎ倒して脱走しかねない。
そこで曹肇隊は都市には入らず補給部隊から追加兵力と兵糧を貰って野宿生活。
十二分に忠誠度が下がるまで城の中にさえ入れないのだ。
「わかった、わかった、信じるってばよ。」
「信じるから保存食じゃなくて普通の飯をくれよ。」
「曹丕は悪いヤツだー。大義は我等にありー(棒読み)」
と、いうワケでケ艾、諸葛誕、姜維が一気に仲間入り、
その後、街では勇猛で知られるとか、地方では高名だとか、
そんな武将達を何人か加えるコトに成功。
おやおや? 急に楽になっちゃったぞ。
「華キン(音ヘンに欠)どうすればよい?」
「はい、まずはあの土塁と弓櫓を破壊し、敵の農場を襲って兵糧を補給しましょう。」
「なるほど、さすが悪知恵だけは働くなぁ。」
「なんとなくですが、わたしと曹真殿の立場も悪くなりそうな気がするんですよ。」
そうこうする内に曹宇軍にコテンパンにやられた曹丕復活。
今度は華キンを参軍に曹真らを引き連れてやってきました
華キンの進言通り土塁を破壊し一気に曹宇軍領内に侵入した魏軍は、
手当たり次第に農場を破壊し兵糧強奪なんてこった。
これじゃぁ兵糧不足で兵が離脱したところを叩くという素敵なプランが台無し、
つーか、こっちの兵糧収入も危ういったらありゃしない。
しかし曹沖は慌てず騒がず、寡兵で出撃、続いてケ艾、姜維も寡兵で出陣。
「曹沖は偽曹宇に改造された人造人間である。」
こ、こわっ!
「証拠は、ここにいる曹沖様をご覧下さい。見事に子供のまま。」
「さぁ、改造されたい奴は一列に並びなさい。永遠の命を授けますよ。」
あまりの怪しげな曹宇軍に混乱し恐慌状態に陥る魏軍。
我先にと逃げ出す兵士達も入れば、
あまりの混乱っぷりに戦場で立ち止まってしまう者もあり、
こうなっては戦になりません。
「曹宇様、曹真と華キンを捕らえました。」
残念ながら曹丕は名馬を持っているから、多分捕まらないんだろうな。
でも曹丕が重用する二人を捕らえたのは大きいかもね。
「お久しぶりでございます。曹真殿、相変わらず帝とは仲が良いようで、」
「曹宇様が叛乱を起こしたというのは本当でございましたか、」
「曹真殿を処刑するのはしのびない。どうか我が軍に投降くだされ。」
曹真は優秀な武将、
なんとか配下に加えたいところですが、
「え? ちょ、ワシってば無視?」
「華キンは斬首決定なの。」
「うそーん。」
ま、華キンは斬首。
あんまり武将を溜め込むと一都市しか持っていない曹宇軍としては、
人件費が高くなりすぎるんだ、だから欲しい武将だけで我慢、我慢。
「真実がどうであれ曹丕様を裏切るコトは出来ません。」
曹真の忠誠度が下がらないんだよね、なかなか、
あんまり曹肇を城の外でウロウロさせておくのも、
兵糧が不足気味の我が軍では辛い、そこで泣く泣く処断。
この後も曹丕はしつこく、執念深く、激しく「武威」を攻め続けるものの、
武将を次々を失っていく上に、蜀軍と魏軍が漢中で激しくぶつかり合う戦闘が発生し、
悔しがりながらも長安まで撤退を開始、
反撃は今とばかりに曹宇軍はケ艾、諸葛誕、姜維を中心に攻勢を掛ける、
228年9月には守将カク昭を捕縛し「安定」を奪取、
229年12月には漢中の蜀軍と長安の魏軍の戦闘の隙を突いて「天水」を攻略。
こうして曹宇軍は曹丕に逆襲すべく順調に勢力拡大を始めたのです。
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