白馬の大爺サマ 「公孫サン プレイリポート」(その6)




     蒼天已死「公」天當立(200年〜


馬騰軍は武威と天水に割拠している。
早く滅ぼしてしまいたい、だけど遠い、MAPの隅っこじゃないですか、
そこまでパカパカとお馬さんで行く部隊はいいよ。まだ早いから、
槍とか戟とか持って行く部隊にとっては結構な距離ですよ。
兵糧も勿体無いし、はっきり言って面倒臭い。
そこで公孫サンは考えた。袁術や張魯のように馬騰も降服しないかと考えた。
劉備や貂蝉で勧告してみたらどうかと田豊が言うので派遣してみたよ。

 「貴軍に降る訳にはいかぬ。」

とか言われて成す術なく帰って来る劉備。
仕方ないので戻って報告します。

 「『バーカ、バーカ、誰が降参するか、アホー。』と言われました。」
 「な、なんと! おのれ馬騰、この公孫サンを愚弄するかっ!? 出陣じゃ!!」

ああ、なんという悲劇、
戦争は何も生み出さないというのに、
何故こうまでして戦わなければならないのだろうか?
しかし嘆いてばかりはいられない、
双方騎兵が得意な武将が揃っているため、
戦闘は騎兵が大量にフィールド上を駆け回っている壮絶なモノとなった。
馬超の凶悪な攻撃力にちょっとだけ苦戦したけど、
まぁ、時間をかけて物量で武威を押しつぶしてやった。
馬騰軍は天水へと逃れて行き、大量の兵士と物資で篭城中、厄介なことになった。
また時間を掛けなければ攻略は難しい、
しかし自らの寿命に危機感を感じていた公孫サンは、
ここで大きな過ちを犯してしまうのである。

なんと連戦連勝で調子に乗っていたのか
曹操との同盟を解消し、袁紹に討伐を命じたのである。
つーか、筆者であるわたしが完全に舐めてた。楽勝だろうってね。
袁紹は北海を攻略後、南下し大量の物資と共に小沛へと入城、
対曹操、陳留への前線基地とした。
実質二面作戦となった対馬騰、対曹操作戦、
しかしながら主力はどちらかというと馬騰側に展開していた。

 「おのれ馬騰、わしをバカにしおって、まだまだ許さんぞ!」
 「兄上、落ち着いてください、馬騰軍は未だ強大ですぞ。ゲホゲホ、」

公孫越ってホントは従弟だっけ?
演義では兄弟らしいよ。

 「む、どうした越?」
 「いやぁ、最近体調が悪くて……。」

あー、そろそろ寿命が近いんだな、

 「なんと! これもみんな馬騰が悪いんだな、くそー!!」

主力が対馬騰に展開しているのは公孫サンが怒って(逆恨み?)いたから?
いやいや、それだけじゃない、
ま、ぶっちゃけ、対董卓戦に優秀な武将を大量に投入したからである。
で、小沛に駐屯している主な武将は袁紹、徐盛、潘璋、魏延、賈ク、魯粛、陳登、陳珪、
あとはさっきまで敵対していた孔融とか、そして我らのヒーロー曹豹……(いらね)
ちなみに北海で捕らえた太史慈は残念ながらどうやっても仲間になってくれず解放、
あー、でも見た感じ、そんな悪い武将のラインナップじゃないよね?

でも曹操軍といえば読者の皆さんには説明不要なくらい優秀な武将が揃っている。
更には行方不明になっていた呂布とその娘までいるのだ。
小沛から出撃した袁紹軍団はちょうど陳留との中間点付近で激突、
激しい戦闘に気力を失いつつあった袁紹隊は軍楽台を建築し踏みとどまるも、

   呂布って鬼のように強いのね。

どんなに攻撃しても退くコトを知らない呂布隊、
はっきりいって命がいくつあっても足りない、なんちゅー強さだ。
その周囲を固める夏候惇、夏候淵、曹仁、そして呂玲綺、
それぞれの部隊には有り余った軍師クラスの武将たちまでついている。
コッチから計略かけても見破られるし、なんなんだ、こいつらは!
逆にコッチが計略にかかって退却を始める部隊がチラホラ、
さらに最悪なのが呂玲綺たんが突撃かましてきて、陳登を発見したらしい、
自動で一騎討ちモードに移行してしまったのよ、

さぁ、はじまりました、無敵超人呂布の娘「呂玲綺」と、
小覇王こと孫策を撃退した「陳登」による一騎討ち、
実況はわたくし糜竺と、解説は孫乾さんでお送り致します。

 「一騎討ちにはあまり詳しくないのですが、よろしくお願いします。」

呂玲綺、陳登、お互いに名乗りをあげました。
双方、軍馬にムリを入れて一気に駆け寄っていきます。
あーっと、一撃、一撃です。一撃必殺。勝者は呂玲綺っ!!

 「つーか解説も糞も無ぇじゃん。」

陳登、捕まっちゃったよ。
親が親なら娘も娘だ! なんなんだ、あの親娘は!?
こんな不甲斐ない戦いを強いられては、さすがの袁紹も切れるってなもんですよ。

 「えぇぃ、退却だ! この低脳らに威厳に満ちた撤退っぷりを見せてやる。」

うわ、どっかで見たコトあるぞ、この台詞。
あ、思い出した北海で苦戦したときに逃げ出したと思わせておいて反撃した時のだ!
さすが袁紹。またも何か策があるのでしょう。

 「おのれ孟徳、覚えてろよ、全軍、退却ーっ!!」

戦場に取り残された曹操軍の将兵たち、
唖然とその光景を眺める曹操。

 「うわぁ〜、ホントに逃げやがった! しかも尻尾巻いて、」

これはマズイ、奴らはマジ強い。
直接敵軍の脅威が無い都市から物資を大量に輸送し、
圧倒的兵力差で敵を潰してきた、いわゆるイナゴ戦術が通用しない。
少数精鋭それが曹操軍。強いぞ曹操軍。弱いぞ袁紹。

 「むむむ、顔良と文醜さえいれば……。」

そう、彼らは馬騰軍と戯れております。
しかしこの惨敗の報告を聞いて公孫サン、迅速な人事異動を開始、
劉備、関羽、張飛、趙雲、顔良、文醜、張コウといった一線級の武将対曹操戦線に投入。
西の果てから大急ぎで東へ向かう武将達には気の毒ですが、
こうでもしないと今の曹操軍には勝てない。田豊も李儒もみんな曹操相手に頑張れ。
よし、残った武将で馬騰と戦うぞ。

 「よーし、父上、ボクも精一杯頑張ります。」
 「……続、お前は戦場に出なくても良い。弱いから、」

うん、お父さんに比べて公孫続はちょっと弱い能力値なんだよね。
馬超とか馬岱とかホウ徳とか、強い奴らがいっぱいの馬騰軍と戦うには厳しいかなぁ。

 「でも、強い方々はほとんどいませんが?」

武将、移動させすぎた……。
まぁ良い、良いのだ、所詮馬騰軍など天水を残すのみ、
公孫サン、公孫続らが騎兵を率い、公孫度に井闌を与え、
たまたま開発か何かで武威に残っていた張遼に槍を任せ出撃、
……いやぁ、結果的には勝ったけど、馬騰って思ったより強いんだね。
公孫サン本隊は壊滅、公孫続隊も半壊し退却、焦った公孫サンは、
漢中から張魯らに桟道を通って天水挟撃を命じた。
それでも抵抗を続ける馬騰軍、公孫度の井闌隊も撤退。
最初に出撃して最後まで踏みとどまったのは張遼のみ、とんでもない戦闘でした。
ま、ボロボロにされつつも馬超、韓遂といった優秀な武将を仲間に出来たのは嬉しい。
これで、このまま劉璋に特攻できるぜ!! ってなモンです。

馬騰と韓遂、とっても仲良しの義兄弟。
片方が攻撃すれば、もう片方が支援攻撃してくれる程の仲良しさん。
劉備、関羽、張飛ほどではないけど、劉璋相手には十分強い。
これに馬超やホウ徳が一緒に出撃するんだから、関を次々と破って、
速攻で「成都」まで攻略しちゃったのよ。
いままでの苦労がウソみたいにね。
問題は曹操、少ない兵力で必死に防戦している姿を見ると、
あー、攻められ続けるのも面白そうだなーとか思っちゃうんですが、
攻めている方としてはツライです。ガンガン兵糧減っていくし、

 「そうだ、公孫サン、いっそのこと劉表あたりを降服させて、
  曹操を完全に包囲してしまうのはどうだろう?
  わしの威光を使わせてやっても良いぞ。」

袁紹、あんたはいつまで経っても偉そうなんだね。
だいたい劉表って襄陽、江夏、永安と結構な勢力を誇っている。
そんな簡単に降服なんかしないよね? ね? 田豊?

 「袁紹の割には良いお考えかと、」

あれぇ?
ホントに降服するのかな?

 「こうなっては致し方あるまい。」

降服しちゃった……。
こうやって敵が減れば減るほど、いわゆるイナゴ戦術が威力を発揮するワケで、
宛、上庸、新野あたりからも対曹操戦に兵力を投入、
そういや馬騰も味方になったコトだし、長安、洛陽の兵も対曹操戦に投入しよう。
さらに元袁術軍配下で劉表に備えていた紀霊たちも、
何処で拾ったか忘れたけど徐晃も、いままで仕官を断り続けていた太史慈も、
なんの遠慮も要らない、ボコボコにしてやりなさいと対曹操戦線に投入。
これにはさすがの曹操軍も耐え切れず、陳留、許昌は次々と陥落、
それでも頑張る一人の武将、残す汝南も遂に陥落かという間際に出撃してきて、
張飛にむけて突撃敢行。そして敵将を見つけたぞとか叫び一騎討ちモードに移行。

 「オイラに喧嘩を売ろうってのか? いい度胸じゃねぇか。」
 「ふっ、雑魚に用は無い。」

さぁ、やってきました。化け物対決のはじまりです。
チャンピオン無敵超人呂布に対するは、これまた一騎当千、万夫不当の豪傑と名高い張飛、
実況はいつものわたくし糜竺と、解説は孫乾さんでお送り致します。

 「彼の戦いはよく見ていますから解説できるんじゃないでしょうかねぇ。」

名乗りをあげてお互い汚く罵りあいながら接近したぞ。
おーっとそれぞれの一撃は空を切った形になった。

 「さすがですね。あまりのスゴさによく見えませんでした。」

張飛、次の攻撃に入りますが軽くいなされました。
挑戦者、驚きの表情に替わります、ここまでレベルが違うのかといった表情。

 「彼のあの表情はあまり見かけませんね。」

チャンピオンの反撃、な、なんとラッシュ、ラッシュだ、
挑戦者、なにも出来ない、反撃しようとしても防がれる、これは一方的だ。
挑戦者だうーーんっ!!

 「……能力値の数字は当てになりませんね。これはあんまりだ……。」

あんたら、もぅ実況ごっこはいいから、
しかし、ホントあんまりです。だってコッチだって一応ね、張飛ですよ。
それなのにほとんど良いところ無しってのはあんまりです。
とは言うものの、さすがの呂布も多勢に無勢、張飛は無事帰ってきましたし、
呂布の抵抗も空しく汝南は陥落、
はげしい反撃を繰り返してきた曹操軍も、これで滅亡しま

 「公孫サン様の覇道を支える力になりましょう。」

はやっ!! 曹操はやっ!!
と、とにかく、曹操をはじめ強力な武将たちが仲間となり、
残る相手は孫策、厳白虎、そして南蛮の地に逃げ込んだ劉璋のみ、
中国大陸統一は目前に迫ってきたようです。

そして、この公孫サンの躍進に人々は漢王朝の終りを感じていました。
たまたま洛陽に駐屯していたカク萌(本来は呂布の部下、演義では曹操に斬られ、
正史では呂布に反旗を翻し高順に斬られている人らしい)というマイナーな人が、
公孫サンに

 「殿、そろそろだと思います、漢朝に対しては私にお任せください。」

とか偉そうに賢そうなコトを言い献帝に会いに行き、
帝位を禅譲しないと酷い目にあわすぞーみたいなことを遠回しに言うと、
献帝もまたそれを察して公孫サンに帝位を禅譲。
かくして西暦201年、公孫サンは皇帝となり国号は「公」と定められたのでした。

しかし、良いことばかり続くワケはなく、
この202年、成都に駐屯していた公孫越、公孫範が病を発し死亡、
そう、公孫一族の寿命は風前の灯火なのです。
はたして公孫サンが死ぬ前に中国大陸統一は出来るのでしょうか?
残る孫策との壮絶な戦いがいま始まろうとしているのです。
と、いったところで以下次回。