老将の見た夢「朝倉義景 プレイリポート」(その1)




     老将の見た夢(スタート前)


自分の出身地の大名家って応援したくなりますよね。
わたしは青森県弘前市周辺が出身地なので津軽家を応援しちゃいます。
たとえ大内家でプレイしていても、有馬家でプレイしていても津軽家を……。
あれぇ? 津軽家ないじゃん。あ、そうか、まだ南部家だもんな。
そ、早い時代のシナリオだと津軽家なんてまだ存在すらしていません。
だったら南部家でプレイしたら? とか言われそうですが、
津軽人としては出来れば南部家でプレイしたくないワケで、
そのあたりこそが、現代のも残る津軽人と南部人の確執というか、
なんというか、ま、ちょっとそういうのあるんですよ。

うーん、なんつーか話が脱線しましたね。
出身地の大名を応援したくなるって話だったのにね。
さて、今回は朝倉家プレイです。
当サイトの掲示板に遊びにきてくださっている、
「ふぁらうぇい」さんのご当地戦国大名(らしい)です。

 > ●ふぁらうぇい(579) 題名:おつかれさまでした 投稿日 : 2005年11月2日<水>02時52分
 >
 > うーむ まだお題考えてなかったり(ぁ
 >
 > ホントは奥州斯波家とか能登畠山家とか古河公方様とかやってもらいたいんですが
 > 何もしなくても無理そうですしというわけで越前朝倉家でお願いします
 > 福井出身なので
 > シナリオはどれでもいいです
 > 制限などはなしで
 >
 > よろしくお願いします

ふむふむ、制限なしですか、それは自由に楽しめそうです。
朝倉家と言えば、頼れる武将を思い浮かべると宗滴のお爺ちゃんがいますね。
早い時代のシナリオ1555年スタートの「尾張統一」でも、
スタート直後からゲホゲホ言うし、じゃぁ没年は何時かというと1555年らしい、
うわぁ、こりゃ酷い。唯一頼れる武将、スタート直後死亡なんて酷すぎる。
お爺ちゃんが生きている間にある程度巨大化しないとキツイかもなぁ〜。

 > ●ふぁらうぇい(623) 題名:無題。 投稿日 : 2005年11月2日<水>18時43分
 >
 > 宗滴が死ぬ前に統一を。。。無理ですね
 > 朝倉なら上杉と距離あるので即滅亡もなく
 > 近畿はあんまり強い大名いないのでなんとかなりそうかなぁっと
 > まぁ宗滴死ぬと剣豪しか活躍できる人いなくなりそうですが。。。
 >
 > 頑張ってください(ぁ

むむっ? 「宗滴が死ぬ前に統一」ですと?
……いやそれムリ、面白そうだけどムリ。ちょっと心が揺らいだけどムリ。
だって、開始1年で没年を迎える人だよ?
とか言いながらゲーム起動、朝倉家を選択しデータを見てみると、
おや? なんかいい物持ってるじゃん。
朝倉家にはデフォルトで寿命延長アイテムが(九級品だけどね)あるんだよ。
まず最初にこれをお爺ちゃんにあげると、それで数年は持つだろう。
あとは残された若者達で頑張れば……。

   ・シナリオ「尾張統一」難易度「上級」

   ・全国モード/寿命「史実」/討死「多い」

   ・最終目標は全国統一(の予定)

いわゆる天下分け目の合戦が終って、
パワープレイになっちゃったら辞めてもいい? いいよね?
最後までプレイすると結構時間が掛かっちゃうんだよね。
ダラダラプレイしてるからテンションも一気に下がっちゃうし、
さて、今回担当する大名は彼、

朝倉義景  :統034 武025 知034 政060 足D 騎D 弓D 砲D 計D 兵D 水D 築C 内D

そこそこ政治力が高いので施設の建築に関しては結構有能かもしれん。
大内家プレイでわたしの能力値のバランス感覚が狂っているのか?
んで頼れる武将はさっきから出てきている「お爺ちゃん」こと朝倉宗滴。

朝倉宗滴  :統095 武090 知091 政077 足A 騎A 弓B 砲D 計A 兵A 水C 築D 内B

うわ、すげぇ、なんだこれ?
さすが高齢の武将だけに鉄砲の適応能力は低いですが、
それ以外は凄まじいほどに優秀。
お爺ちゃんが生きていたら、または彼に続く人物がいたら、
朝倉家も衰退しなくてすんだのかもしれませんね。
んで、お爺ちゃんが亡くなった後の朝倉家を支えるのは

富田景政  :統057 武098 知013 政010 足A 騎D 弓D 砲D 計D 兵D 水D 築D 内D
真柄直隆  :統051 武092 知015 政005 足B 騎D 弓C 砲D 計D 兵D 水D 築D 内D

orz……いやね、強いよ、強いんだけどこれじゃ戦場でも活躍できない。
計略に掛るわ、率いる兵数は少ないわ、
足軽適正が高いから技術革新しようとしても政治力が途方も無く低い。
こりゃ宗滴が死ぬ前に良将を確保しないとマズイよ。
それじゃ、そんな感じにゲームスタートっ!!


     老将が示した道(1555年〜


戦乱の世、混乱の真っ只中である昨今、朝倉家にも不穏な影が忍び寄ってきました。
朝倉軍の主柱、国内外にもその名が轟く名将朝倉宗滴が体調を崩したのである。
この時、まだ20代前半の朝倉義景は酷く狼狽した。
なにしろこのゲーム世界での自分の能力値があまりにも、不当なまでに低く、
さらには家臣たちもあまり優秀ではない、
おかしい、たしか義景は知勇兼備の将、ただちょっと戦った相手が悪かった。
名族意識がちょっぴり強い、そんなお茶目な大名なだけのハズ、
そして頼りの綱である宗滴がいまこうしてゲホゲホ言っている。
歴史上では当分(?)滅亡しない朝倉家ではあるが、
このゲームでは越後の長尾家の動向次第で瞬殺される可能性すらあるのだ。

   いつもは小言だらけで、喧しく思っていた爺が死ぬ。
   サッパリするだろ〜なぁ〜。でも爺が亡くなったら朝倉家はどうなるのだ?

義景は焦った。
ちょっと想像するだけで「毘」の軍旗が猛スピードで迫ってくる。
いや、待てよ、もしかしたら「風林火山」かもしれないぞ?
どちらにしても奴等は鬼のように強い。どうしたらいいのだ。
爺よ、死なないでくれ、まだ義景を叱り続けてくれ。
もっと贅沢させてくれ、もっと遊びたい年代なんだよね。オレ。
途中から変な願いに変わってしまったが、
義景は宗滴の回復を願った。願いまくった。そして思いついた。

   あ、そうか、爺の寿命を延ばせばいいんだよな。

思い立ったら即行動。義景は宗滴を見舞った。その手には怪しげな文書。
どうやら寿命延長のアイテムらしい。そして大粒の涙を流し喜ぶ宗滴。
その翌日から、朝倉家の覇道が始まろうとは誰が予測したであろうか?

   「南近江の六角家を攻めとうございます。」

老人の朝は滅茶苦茶早い。まだ薄暗い夜も開けきらぬ頃。
宗滴は右手に槍、腰には弓と太刀、背には矢筒を背負い鎧姿で大登場。
まだ夢の中にいる義景を叩き起こした。
昨日までウンウン唸っていた老人がそんな格好で現れたのである。
義景ならずとも腰を抜して驚くであろう。いや実際抜けた。
言っているコトも意味不明である。

   な、何を言っているのだ爺。爺は病み上がりの身であろう。

そう、ムリして死なれたら困るのである。
しかし、宗滴は元気が有り余っているのだろうか?
ガハハと笑うと心配無用と言い、再度同じコトを口にした。

   「南近江の六角家を攻めます。」

いや、同じコトじゃない。確定。勝手に確定。
つーか六角家の観音寺城は遠い、遠いのに簡単に仰る。
爺は元気になったが、脳ミソは違う意味で元気になったようだ。
北近江の浅井家とは同盟関係にある。
確かに目の前を通って六角家を攻めるのは問題ない。
しかし補給が難しくなる。義景は反対した。

   「ほぉ、殿も考えるようになりましたな。」

しかしながら、と爺は白髭とシワだらけの顔で続ける。
南近江の観音寺を支配下に置けば、京の都までは目と鼻の先。
殿のお好きな煌びやかで楽しい京生活が楽しめますぞ、と、
それは魅力的、いやいや、それ以前に負けたら終わりだぞ。
義景は後悔していた。
ああ、きっとコレは副作用だ。
家中で最も賢かった爺がアホになった。どうすんべ?

   「殿、では行って参ります。」

良いとは一言も言っていないのに、勝手に兵士をまとめて出撃準備の爺。
おぃおぃ、誰か止めろよと思ってあたりを見渡すと、
富田景政と真柄直隆の二人が嬉しそうに刀や槍を磨いている。
ああ、もぅダメだ。奴等は爺に付いて行くつもりだ。なんてこったい。
気がつくと兵士が一人も居ない。ヤツら全軍で万歳突撃かよ。
義景は泣きながら他の家臣たちと兵舎を作りまくったとさ……。

さて、その万歳突撃をした爺チームは呆然とその様を見ている浅井家の前を通り、
観音寺城に到着すると、とにかく城を殴った。殴って殴って殴りまくった。
君が泣くまでボクは殴り続ける。泣かぬなら殴り殺そうホトトギス。
あまりの豪快さに六角軍は動揺し、混乱しあっという間に落城。
捕らえた六角家の将たちに面会した爺は義景に伺いも立てず全員登用した。
そしてその家臣達に畑と水田を作りまくらせた。
と、いうのも兵糧が無かったからである。

ある程度、農地を整備した爺チームは次の作戦に出る。
浅井家に室町御所攻めを要請したのである。まさに暴挙。
幕府の一家臣である両家が御所を攻めるというのだ。
あまりの豪放さに浅井家もなんとなく了承してしまい、
夏も終ろうとする8月に浅井9000、朝倉1万2千で山城へ突入。
しかし剣豪で名高い足利義輝も黙っちゃいない。
弟、足利義秋の計略とともに兵士8000で出撃。
御所には8000の兵士を残している。つーか強い。
将軍お得意の「槍車」で1000人とかダメージ受けすぎ。
だけど爺チームは怯まない。死んだなら放っておけよホトトギス。
もぅなんだか解らない状態で殴り続ける。
浅井軍は既にボコボコにされて敗走。
だが、朝倉軍は「はい、そうですか(ぇ)」とは逃げない。

   「兵糧が底をつきました。」

誰かが爺にそう言った。だけど殴るのをやめない。
なぜなら、すぐに「秋」になるからである。
南近江、琵琶湖の畔には黄金色に光る水田があるのだ。
爺は軍の先頭に立ち、槍で突き刀で斬り弓を射る、鉄砲? なんじゃそりゃ?
あまりの猛攻に将軍義輝は畳に何本もの名刀を刺し、抜いては斬り、斬り、
斬れなくなったら違う刀をと……あれ? どっかで聞いた話だな。
こうして室町幕府は滅亡、将軍をはじめ将軍家家臣一同朝倉家の軍門に下り、
家臣として登用されたのでした。当然ながら義景にお伺いは立てずに、

その頃、やっと兵舎が立ち並び、
一回募兵すれば2000とか平気で集まる募兵エリアとなった一乗谷に報告が、
おぉ、爺からの手紙か、なんだろう?
義景と置いてけぼりを喰らった武将達が覗き込むと、
室町御所への御招待券がっ!? うわー、こりゃ将軍様に怒られる。
爺何かやらかしたな!? と顔面蒼白の一同。
これまで建設現場に居た義景は正装に着替えて早馬を飛ばして京の都へ参上。
なんか前より元気になった爺と御所で再会した義景の目には涙がいっぱい。
義景の義の字は義輝の義の字を拝領したモノなのに……あぁそれなのに、

   「爺、なにをしたんだっ!?」

と、泣きながら言う義景に何のコトやらと思いながら、
とりあえずコチラへと、すごく立派な部屋へ案内する爺。
案内されるまま、そのすごく立派な部屋の一番上座に座らされる義景。

   「つーか、なんだこれ?」

義景の目に映るのは下座で「ははぁっ」と平伏する義輝、義秋、その他大勢。
慌てて平伏する義景、あ、やばぃ、オレいま上座にいる。
そりゃ義輝様とオレっちはそこそこ仲良しさんだけど、
そりゃ室町幕府の将軍なんて、飾りに近いようなモンだけど、
武士としてこれはマズイだろう、他の大名家に知られたらマズイだろう、
ガクガクと震えながら立とうとすると、思ったように足に力が入らない。
変な形で転んでしまう。うわ、やってもぅた、こりゃただでは済まないぞ。
覚悟を決める義景でしたが、なんか様子がおかしい、

   「殿、大丈夫ですか?」

と義輝が声を掛けるんだからおかしい、とっても変だ。
いや、待て、殿ってなんだ? 殿はオレ、オレだけど将軍様が殿って何?
これってドッキリ? カメラはどこに隠してあるんだと不安になる。
新しい家臣にございますと、爺は言うけど何が起こっているのかワケ解らん。
では殿を交えて軍議を始めるとか言う爺、
もぅ考えるのに疲れた義景は時の流れに身を任せるしかない。

   「次は筒井城へ進攻するのじゃっ!」

爺が雄叫びを上げると、義輝らは「ははぁ〜。」と平伏する。
軍議ってこんな簡単だったっけ?
爺や家臣たちが軍議をしていると、いつもは難しい話ばかりのハズだが、
今日はあっさりと爺の一言で話が終ってしまう。
さすがに不安を覚えた義景でしたが、

   「殿の為に頑張ります。」

とか言う義輝を見て、どっと疲れが出てきたので、まぁ良いことにする。
何が起こっているのか誰か詳しく説明してやれよと思う今日この頃でしたとさ、
つーか、爺ってちょっと前まで死に掛けてたんだよね? たしか……。
あと、このノリで突っ走っていいものかどうか、悩んでます。