我が子に託す「織田信秀プレイリポート」(後編)




     東海一円制圧(1545年10月〜


東海一円に残った群雄は斎藤家(稲葉山城)と武田家(高遠城・川田館)、
そして織田家(清洲城・岡崎城・引馬城・駿府城)のみとなりました。
国力を急激に蓄えた織田軍ですが、武田家攻略には手間取ります。

度々三河へと侵攻してくる武田軍を押し返すものの、
コチラから攻撃を仕掛ける隙を与えないのです。
多少の無理をすれば攻撃を仕掛けられるでしょうが、
そこはさすがの武田軍、百足衆とともに迎撃されるのがオチでしょう。

しかし、ここにきてひとつの光明が見えてくるのです、
織田との同盟で対武田戦しか考えなくてもいい斎藤家ですが、
この時点で織田との同盟期間は僅か数ヶ月となっておりました。
ここで織田との関係が悪化すれば、
斎藤家は武田、織田両方から集中攻撃を受ける可能性があるワケで、
なんとかして自国の国力を上げたいところです。

そこで斎藤軍は全軍を上げて高遠城を攻撃するコトにしました。
もちろん単独では苦戦すること必至、
そこで織田勢にも協力を願いでるのでした。
ここに武田攻略作戦が始まったのです。

 「織田に援軍を頼みはしたが
  高遠城を攻略するのは我らでなければなりません。」

今孔明こと竹中重治が言います、道三もそこのことは十分に理解していました。
ここで武田の国力を吸収しなければ、織田との対等の同盟は決裂、
いずれ斎藤家を滅ぼす要因となることは火を見るより明らかなのですから、

さて、救援を求められた織田勢はどうしたか?
二俣城から柴田勝家を主将とした軍勢2万を出陣させましたが、

 「我らは最悪でも川田館を攻略できればよろしいかと、」

本多正信はその先を考えていました。
武田軍は斎藤・織田同盟軍の動きを見て川田館から高遠城へと兵力を集中させ、
お抱え衆である百足衆もまた高遠城へと向かったのです。
織田勢は密かに駿河から甲斐へ伸びる街道を敷設、
甲斐川田館攻略に動き出したのです。

 「よもや勝家の2万が囮だとは思うまい。」

柴田勢は南信濃を目指し武田軍が敷設した街道をひたすら北東に進軍。
途中にある街並を奪取しながら高遠城へと迫ります。
斎藤軍もまた美濃から高遠城を目指し進軍していますが柴田勝家が一番乗りでした。
勝家はここで百足衆を撃退し高遠城の攻撃を開始しました。
これで協力要請に答えたコトになりますからね。

さて、真の本隊である織田信秀勢1万5千は川田館に接近、
これに気がついた武田軍は板垣信方約1万が高遠城から出撃しました。
しかし、その進路を塞いだのは柴田勝家隊、川田館への援軍を絶ったのです。

 「我らの役目はこれまで、全軍、二俣城へ撤退だ!」

勝家の号令で柴田勢は回れ右、なんと三河遠江へ引き返したではありませんか、
高遠城を攻撃している斎藤軍はたちまち危機に瀕します。
これによって織田勢は甲斐川田館を攻略、高遠城と斎藤家にダメージを残したのです。
川田館を攻略した織田勢力は
駿河から兵力物資の輸送を終え遂に高遠城へと軍を進めるのです。

 「信虎殿、城は最早我らの手に落ちた、潔く覚悟を決め投降なされ。」

高遠城にむかって信秀は大声で叫びました。
その返事は、

 「黙れ信秀! 投降する気など毛頭もないわ! 者ども最後の一兵まで戦うのだ!」

しかし、信秀の投降の呼びかけは武田の兵達に届いていたのです。
信虎の嫡男、晴信(後の信玄)は父親を説得しはじめました。

 「父上、もう潮時にございます。我が軍に戦う力は残されておりませぬ……。」
 「この軟弱者が! 勝ち目がなければ戦場で散るのが武田の将兵よ!」

武田兵に動揺が走ります。

 「……父上、お聞き入れ下さらぬか、かくなる上は、者ども、父上を取り押さえよ!」
 「なにっ! 血迷ったか晴信!」

武田兵は主君である信虎に反し、
晴信の命に従いました。

 「我らは勝ち目のない負け戦で犬死したいとは思いませぬ。
  ……これまでも父上の戦好きには振りまわされてきた。
  我らにとって父上は命まで奉げられる主君ではないのです……。」

これにより武田家は降伏し滅亡。
武田家との戦いに敗れた斎藤家も程無くして織田勢に飲み込まれるのでした。
その後、斎藤道三は清洲城で信秀と対面、

 「わしに勝った力量は認めてやろう、だが、おぬしに天下は取れぬよ。」

道三の暴言に織田諸将は激怒、

 「なんと無礼な!」
 「……よいのだ、盛重。」

激高した佐久間盛重を静止し信秀は言います。

 「道三よ、わしに仕えぬか?
  織田家には奸智に長けた知恵者が足りぬのだ。
  きれい事ばかりでは乱世は渡ってゆけぬ、
  時には非道な手を用いてでも己が欲するものを手に入れる方が良い。」

道三は口の端だけで笑いました。
しかし、眼光だけは鋭く信秀を睨みつけます。

 「……聞いた様なことを、このわしを飼いならすつもりか?」
 「お主の様な男を召抱える危険は承知の上、」

道三の口が再び動きました。
しかし、それは先程のような嫌らしい笑みではありませんでした。

 「いいだろう、わたしもお主の行く末を見たくなった。
  精々足元からひっくり返されぬよう気をつけておけ。」

こうして東海一円の群雄たちを従えた信秀には次の目標がありました。
京へ上洛し朝廷の権威を利用して更なる飛躍を目指すのだと、

 「い、一大事でございます!」

槍を手にした長坂信政が駆け込んできます。
佐久間盛重の怒号が響きます。

 「何事だ、いまは若様の槍の稽古の時間ではないのか?
  師範のお主が何をしておる!?」

それがですね、と、
額から吹き出る汗を拭い弁明する信政、

 「信長様が少数の兵を引き連れ野党の征伐に向かわれたのです!」
 「わ、若様が!?」
 (……ざわざわ、どよどよ……)

一同冷や汗を拭いましたが、
信秀は笑って言いました。

 「いつまでも野放図な奴だ。織田の後継ぎたる身分をわきまえておらぬ。
  だが、将来が楽しみでもある、まったく、誰に似たのやら……。
  はやく将として成長しわしを楽にさせてほしいものだ。」

その後、織田家は信長の下、天下布武を掲げ乱世に挑む事になります。
が、しかし、その話はまた別の機会に、


   〜〜〜 ここまでの主な出来事 〜〜〜


 1540.01 ゲーム開始直後、大胆に柴田勝家で三河領内を荒しまわる。

      今川義元に送るはずの竹千代を強奪するも松平家は今川との同盟を堅持
      織田信秀は竹千代を解放する

 1541.05 松平家の三河岡崎城を攻略する、松平家は滅亡

   .06 信秀、歌に興味を持つ? 馬引城を奇策により奪取する

   .08 織田家の遠江馬引城が今川軍に攻略される

   .09 斎藤家と60ヶ月の同盟を締結

 1542.10 遠江にて今川1万8千と自軍1万5千で会戦し勝利

   .12 三河にて武田1万5百と自軍1万2千で会戦し勝利

 1543.08 遠江に二俣城を築城

   .10 武田軍が1万余で三河に侵攻するが撃退する

 1544.05 今川家の遠江馬引城を攻略する

 1545.01 今川家の駿河駿府城を攻略する、今川家は滅亡

   .10 同盟相手の斎藤家が武田家の南信濃高遠城を攻撃、
      援軍要請に応えるが斎藤家が敗走する

 1546.03 武田家の甲斐川田館を攻略する

   .09 武田家の南信濃高遠城を攻略、武田家は滅亡

 1547.05 斎藤家の美濃稲葉山城を攻略、斎藤家は滅亡


      これにより東海一円を制圧成功