白爺「朝倉宗滴 プレイリポート」(その3)




     その爺、強行(1555年7月〜


武田家と同盟を組んだ事によって朝倉家の矛先は畿内に向かいます。
尾張へと侵攻してきた北畠家を迎撃した朝倉軍は、
勢いをそのままに伊勢志摩へと侵攻し霧山御所を屠りました。

北畠家と同盟関係にあった筒井家の軍勢は国境付近まで到達していたものの、
間に合う事無く北畠家は滅亡したのです。

そればかりか霧山御所を進発した朝倉軍は、
国境沿いに展開していた筒井軍に対し追い討ちを仕掛け、
多くの部隊を壊滅へと追い込んだのでした。
この戦闘で戦意を失ったのか筒井家は降伏。
ついで南近江の六角家も降伏を表明、相次いで朝倉の軍門に下ったのです。

抵抗する敵城を攻撃することもなく領地を広げていく朝倉軍、
しかし、大人しく降伏する勢力ばかりではありません。

山城の室町御所を本拠地とする足利将軍家は、
その将軍という地位を保持するべく降伏するつもりはありませんでしたし、
四国全土を統一し岸和田にも勢力を持つ三好軍は徹底抗戦の構えを見せています。
加賀尾山御坊を朝倉軍の攻撃で失った本願寺勢力もまた、
摂津石山御坊にて逆襲の機会を虎視眈々と狙っていました。
朝倉軍の前途は必ずしも安寧では無かったのです。

 「殿、まずは山城の国、足利家を攻撃いたしましょう。」

宗滴は義景にそう進言しました。
落ちぶれたとは言え武家の棟梁である征夷大将軍を討つという事は、
天下にその名を轟かせる良い機会だと考えたのです。

 「どーせ、ワシが何を言っても山城に侵攻するつもりだろ?」

前回、猿轡をされて何も言えなかったのを根に持っている義景、
まぁ当然でしょう。普通誰でも怒るわ。

 「いやいや、滅相も無い、朝倉家の当主は義景様です。
  爺は義景様の御命令ならば例えどんな事でも従いますぞ。
  なにしろワシはあくまで、爺ですから、」

そうだった、武田と同盟を組むと言ったら、
明智光秀の家臣、明智秀満を拉致し同盟の為の人質にするような
無茶苦茶な思考回路の爺様だ。
下手に動かれたらどうなるか解らない。
ここはしっかり詳しく細かく指示を出す必要がある。
義景は心の中にちょっと寒さを覚えたりしたとか、しないとか、

 「それでは爺様、山城を攻め取るのだ。
  ちゃんと軍勢を率いて室町御所を攻略するんだぞ、
  捕らえた足利義輝様は粗末に扱ってはならぬぞ。」

これで普通に攻め取ってくれるだろう。
義景はそう考えたのですが、

 「イエス、マイ・ロード。」

そう答えた宗滴は次の瞬間、

 「殿のお許しが出たぞ、全軍、我に続けー。」
 「爺様、待て全軍じゃなく守備兵を残すのじゃ、って聞いているか、爺様っ!?」

左手に太刀を、右手に脇差を、背には槍と矢筒を、腰には弓をさげ、
両肩にはまるでガンキャノンのように2丁の火縄銃。
その姿はもはや戦国武将っていうか、なんだろ、ワケ解んねぇ。
そして陣中には筒井家降伏によって朝倉家臣となった柳生宗厳が、
彼の武勇は家宝のドーピングが無くても105、
持っている戦法は「燕飛」という強力な攻撃力誇っていたりします。

筒井城を出撃した朝倉軍は北へと進路をとり、
これを迎撃しようと足利軍も室町御所から南へと軍を進めます。

足軽技術を優先的に育てている朝倉家、
さらに信長や秀吉、元信(=家康)を家臣に加えている以上、
純粋な野戦の殴り合いでは負ける気がしません。
伊賀大和と山城の国境沿いで遭遇した朝倉、足利両軍はそのまま戦闘へ突入。
技術的にも、武将の質的にも、
さらには兵の数に関しても足利軍を凌駕している朝倉軍に負けはありません。
次々と壊滅していく足利軍は慌てて城へと撤退を始めますが
こうなったら朝倉軍を止めることはできません。

 「敵は城へ立て篭もったぞ、城門を攻撃しろ!」

爺の指示通り城門を攻撃しようと現れたのは柳生宗厳。
その凄まじい剣圧は硬い城門をいとも簡単に吹き飛ばします。

 「柳生殿に続けーっ!!」

城内へ突入した朝倉軍の将兵を待っていたのは足利義輝その人。
畳には名刀をいくつも突き立てており、
兵士を切って斬って切りまくって、刃こぼれしたら次の刀を抜くのです。
義輝も剣豪将軍と呼ばれるほどの腕前を持った達人。
簡単には捕縛されません、が、

 「上様、我らは戦いに来たのではございません。」

全身に武器を括り付けている爺様に説得力はありませんが、
いちおー平伏して話しかける宗滴、

 「ならば、何をしに来たのだ?」
 「天下の趨勢を語りにきたのです。」

世の中は乱れ、民は明日生きられるのかさえもわからぬ有様、
既に室町幕府の権威は地に堕ち、従う大名家は僅か、
このまま戦いを続けたとして徒に民を苦しめるだけ、
天下の趨勢は我が朝倉家が握っており足利将軍家にも協力して欲しい。
それはおそらく万人の為になるのです。

 「そうか、そこまで考えての事であったか……。」

義輝は手に持った刀を捨て、残りの全てを宗滴に任せる事にしました。
こうして足利幕府は滅び去り、新しい世に向けて動き出したのです。

 「上様、わかって戴けましたか、」

頷く義輝、その隙に、

 「ぼこっ」

後頭部を殴って気絶させる朝倉兵たち、
ちょっと待って、あなたの主君である義景様は、
義輝を丁寧に扱うよう言ってたよねっ? ねっ?

 「よし、皆の者、義輝を縛り上げるのだ。
  これからワシなりに極上のおもてなしをしてやるぞ。」

うあー、なんかもう何もかもダメだー。

   ・
   ・
   ・

室町御所が陥落して数日後、一乗谷城に残っていた義景は上洛。
足利義輝と面会をしたのですが、

 「殿、これからこの義輝、全身全霊を持って義景様に尽くしまする。」

真っ青な顔色をしガタガタと震えながら平伏した痩せ衰えた男、
それがつい最近まで剣豪将軍として名声を馳せた足利義輝その人だったのです。

 「……上様、なにが、何があったのですか?」
 「なにもございませぬ、それにもう上様じゃないんです。スミマセン、ごめんなさい、」

もしかしたら爺様から強要されて……。
いや、それしかもう考えられない!

 「爺様っ! 爺様っ!」
 「はは、爺はここにおります。」

すすっと開いた襖の向こうに宗滴は控えておりましたが、
あれほど丁寧に扱えと言い聞かせたハズ、
それなのに、ああ、それなのに、

 「あの衰え方は尋常ならざる仕打ちをしたに違いなかろう?」
 「いえ、義景様の申しつけ通り、粗末には扱っておりませんぬ。」

不気味な笑みをこぼす宗滴、

 「爺なりに極上のおもてなしをしてさしあげましたが、
  なにか不手際でもありましたか?」

ガタガタと震える義輝。
にやりと笑う宗滴、恐ろしい想像から離れられない義景、
よくわからない状況に戸惑いつつも、足利家を滅ぼした朝倉家は、
名実ともに天下にもっとも近い勢力となったのです。

その後、足利義輝、義秋、細川藤孝らを吸収した朝倉軍は、
石山御坊に立て篭もる本願寺勢力を一蹴、
神仏に仕えてきた坊主どもに、
あたらしい聖上は義景であると洗脳(教えこみ)しました。

この噂を伝え聞いた紀伊雑賀城の鈴木家をはじめ、
丹後若狭に勢力を持つ一色家、丹波に勢力を持つ波多野家が次々と降伏。
また、それまで同盟関係にあった北近江の浅井家まで
同盟が切れた途端に降伏を申し出ました。

河内和泉の岸和田城に勢力を残す三好家は徹底抗戦の構えを見せていましたが、
周囲がバタバタと朝倉家に降伏した為、三方を朝倉家に囲まれ、
海にのみ逃げ場を残した形になりました。
が、当然、爺様が見逃すワケもなく即日、壊滅状態に……。
かくして朝倉家は瞬く間に畿内を制圧し、
次の戦の舞台を西国に求めることとなったのです。

あ、忘れてました。
また快川紹喜が来訪してた際に、啓油集(寿命延長・五等級)を購入。
ここまでは順調に寿命延長の家宝を手に入れることが出来ています。
ここ数年中に寿命延長一等級が手に入れば楽になると思うのですが……。
さて、この先、いつ爺様の寿命が尽きるのか、

以下次回に続きます。


     〜〜〜主な出来事〜〜〜

   1555.07 北畠家の霧山御所(伊勢志摩)を攻略する。北畠家滅亡。

     .09 筒井家、降伏。

     .11 快川紹喜が来訪し啓油集(寿命延長・五等級)を購入。

     .12 六角家、降伏。

     .06 今川家が尾張へ侵攻、これを撃退する。

    56.04 足利家の室町御所(山城)を攻略する。足利家滅亡。

     .09 本願寺の石山御坊(摂津)を攻略する。本願寺滅亡。

    57.05 三好家の岸和田城(河内和泉)を攻略する。

     .08 鈴木家、降伏。

    58.01 一色家、降伏。

     .同 波多野家、降伏。

     .06 浅井家との同盟が切れる。浅井家降伏。