白爺「朝倉宗滴 プレイリポート」(その1)




     白爺(プレイ前〜


約4年前、2005年11月、当サイトで劇的なドラマが展開されました。
それは、死期が間近に迫った一人の老将が空前絶後の活躍をしたリプレイ。
朝倉家リプレイ「老将の見た夢」を公開しました。

 ・信長の野望【革新】シナリオ「尾張統一」1555年スタート

 ・難易度「上級」

 ・寿命「史実」/「討死多」

朝倉宗滴が死ぬ前に天下統一をする……。
1555年に寿命を迎える彼、それは一見不可能でしたが、
奇跡的に寿命延長の家宝を手に入れる機会に恵まれ
ついには天下統一をその目で見ることが出来ました。
「老将の見た夢」は夢ではなく現実となったのです。

このリプレイは当サイトでも特に人気が高く、
その後の「A4サイズの野望」の方向性を決定付けました。
わたしにとっても特別な作品です。

この度【天道】を全国モード、上級でプレイするにあたり、
なにか目標を持って遊びたいと考えたわたしは、
再び、この条件でプレイをする事を決意しました。

しかし、それは苦難の始まりでもありました。
全く同じ条件で【天道】を始め、寿命延長の家宝「八十一難経」(九等級)を与えたところ、
【革新】ではあれ程元気だった宗滴が1559年3月にあっさりと逝くんです。

当サイトの方針というか、わたしのポリシーとして
「むやみにセーブとロードを繰り返したくない」
「ありのままのプレイを文章に起こす」と言うのがありまして、
(たまにブチ切れてロードしたりする事もありますが……)

   「だったら最初からやりなおしてやるぜ!」

と、何度か最初から試したのですが、これが上手くいかない。
寿命延長の家宝欲しさに「寺」のみを建設しても、
気がつくと他の大名家の手に渡ってたりするのです。

あー、これは【天道】やった事ない人は解らないね。
説明しますと「寺」を建てると、
僧侶が来訪するようになり名声が3上がるのです。
【革新】で言うところの「門前町」ですね。

ちなみに、この1555〜1559年の4年間で制圧できたのは順に
加賀尾山御坊、越中富山城、能登七尾城、
一番調子が良かった時は飛騨桜洞城を攻撃中に死にました。
宗滴が死んだ時の状態も幾例か挙げてみると、

  ・北条家に寿命延長「徳本医方」(七等級)を買われ手に入らず宗滴死亡。

  ・今川家の太原雪斎がいつの間にか寿命延長「徳本医方」(七等級)を持ってた。

  ・僧侶が来訪しても寿命延長の家宝を持って来ない。

  ・凶作で兵糧不足となり尾山御坊までしか攻め取れなかったり……。

と、散々な目に遭いました。
こうなったら仕方が無いよね。ちょっと条件を軽くしてみよう。
【天道】には「信長元服」1546年スタートのシナリオがあるのです。
「尾張統一」からみると9年も早いスタートになります。

この9年と、寿命延長「八十一難経」(九等級)があれば更に4年。
合計13年の制限時間の中で天下統一できるのか?
もちろん、途中で等級の良い寿命延長の家宝が手に入る可能性だってあります。
もう少し寿命が延びれば……もしかしたら……。

いやいや、時間的にムリそうでも
【革新】同様【天道】でも、敵対勢力が無くなれば可能となる
「連立政権樹立」で時間を大幅にショートカットできるかもしれません。

とにかく今回の目標は、
「例えどんな形になろうとも宗滴存命中にこの乱世を治める。」
である事は変わりありません。

えーと、ここで条件のおさらい。

 ・信長の野望【天道】シナリオ「信長元服」1546年スタート

 ・難易度「上級」

 ・寿命「史実」/「討死多」

 ・仮想姫および仮想息子は無し/伝承イベントも無し

あとは主な武将のステータスも書いておこう。

   武将名   統率 武勇 知略 政治 足軽 騎馬  弓 鉄砲 兵器 所持戦法

   朝倉孝景   78  75  80  93  B   B   A   C   C  突撃之四
   朝倉義景   38  25  34  70  C   D   D   C   D  鼓舞(※)

   朝倉宗滴   95  90  91  77  A   A   B   D   A  突撃之四
   朝倉景鏡   64  45  72  42  D   C   D   D   C  威圧

   朝倉景紀   68  59  52  57  B   C   C   D   B  槍衾之二
   朝倉景隆   58  64  36  48  C   D   C   D   C  槍衾之一

   朝倉景健   67  70  33  25  C   B   D   D   D  突撃之一(※)
   富田景政   57  97  13  10  S   D   D   D   D  槍衾之三

   (※スタート時は元服前)

わたしの中にある天下統一へのシナリオは、
武田か上杉と同盟を組み、東日本を武田or上杉に統一してもらい、
連立政権を樹立して天下統一に漕ぎ着ける。
当然、西日本全土は朝倉家がいただき、連立政権の首長は朝倉義景にする。
つまり全国の過半数(34城以上)を支配するのは朝倉家。
それ以外は武田か上杉で同盟相手、
結果的に日本は平和になりましたとさ、だったりします。
いやぁ〜、宗滴の寿命に余裕がありそうだったら単独政権を狙うけどねぇ。


     その爺、有能(1546年1月〜


朝倉家は越前守護代を務めてきた家系であるが守護斯波家と争い、
この時代は既に越前の支配権を確立していたようである。

当主である朝倉孝景も混迷していた加賀、若狭などに侵攻し、
また、文化教養の方面に明るく、歌道、連歌、茶道を好み、
軍事的、政治的、才能を持つ知識人であった。
その孝景はもっとも頼りにしている重臣に助言を求めた。

 「爺様、我が子、義景はこの乱世を生き抜く事が出来るであろうか?」

戦国大名、朝倉孝景もまた人の子、
自分の血を分けた子供の将来が心配でならない。
嫡男、義景は文化教養に関してはそこそこ素養を見せるが、
優柔不断なところがあり、今後を考えれば考える程心配になるのだ。

 「殿、なにも御心配には及びません。
  この宗滴、義景様にも十二分に尽くす所存。」

孝景は思った。何を言っているんだこいつは?
宗滴このとき既に齢七十を数え、いつ死んでもおかしくない年齢。
それなのに自分の子供の面倒も見るというのだ。

 「爺様が元気なのは解っておるが、
  わが子を託すほど若くはないと思うのだが、」

孝景は少し意地悪く言ってみた。

 「いいえ、心配無用!」

言い切った。真顔で言い切ったよこの人。
一体何歳まで現役でいるつもりなのかは解らないがすごい自信だ。

 「とは言え、父君としてはやはりお子が気になりましょう。
  どれ、この爺が義景様の為に少し領土を拡大して差し上げましょう。」

なんか「隣の家に回覧板をまわしてやろう」みたいな雰囲気で言う爺様。
お隣の国、加賀では一向一揆で大変な事になっているのです。
畿内の方に目を向けると室町幕府にこの混迷に満ちた世の中を治める力はなく、
……というか室町幕府そのものが混迷の源なんですけどね。

 「加賀への街道が出来次第、すぐに出陣じゃ!」

一乗谷城にいる初期設定の兵士全員を連れて加賀へと侵入する爺。
ぞれに続くは富田景政(武勇97で槍衾之三だから戦法要員)ら、
国境沿いにある町並をサラサラ〜っと占領していると、
当然それに怒った尾山御坊の本願寺の坊さんたちが出撃してくる。
それを迎え撃つ宗滴!

 「おのれ、人心を惑わせる糞爺どもめ!」
 「爺に爺と呼ばれたくないわ、この糞爺め!」

そ、この人たちはお年を召して禿げたのではなく、
自分から煩悩を捨て、信仰の為、剃っているだけのお坊さんです。
しかし、そんなの知ったこっちゃありません。

右手に太刀を、左手に脇差を、背には槍と矢筒を背負い、
腰には弓をさげた状態で馬にまたがる朝倉宗滴。
そう、よりパワーアップした彼の戦闘形態です。

鉄砲? そんなモノ必要ありません。
弓から放たれた矢は戦艦のメガ粒子砲並の威力なのです。
まさに連邦のMS……じゃねぇや、朝倉の爺は化物なのです。
神仏を信仰する坊主が化物を相手にする。
なんかもうメチャクチャだよ。

 「今回のワシの顔グラ、髪が見えないようになっているのが残念じゃ。」

しかし兜から跳ね出たその白髪の先にも短刀が結われており、
まるで頭髪が蛇のメデューサの如く敵兵を切り裂いていきます。
もう一人で戦国無双やってる感じ?

尾山御坊から迎撃に出陣した坊主軍団を壊滅に追い込むと、
さらに加賀の町並を突き進みます。
その町並を取り替えそうとする坊主軍団は宗滴に各個撃破されるのでした。
この勢い、もう止まりません。

ついには尾山御坊まで到達してしまった宗滴たちは、
そのまま城攻めを行ったりしちゃうのです。
そして最後のとどめを刺す瞬間を迎えるのでした。
富田政景の槍衾之三が尾山御坊に篭る僧兵たちを突き殺すのでした。
あれ? なんで爺様、とどめ刺さないの?

 「いや、ワシはあくまで、爺じゃから……。」

え? それって何のつもり?
ただ単純に持っている戦法が突撃之四だけど足軽隊を率いていて、
戦法を使うことが出来ないから……ま、別にいいけど、


     その爺、最強(1548年7月〜


加賀を制圧した朝倉家は軍勢を更に東へと侵攻させました。
次の犠牲者は越中富山城を居城とする神保家だったりしますが、
彼らに我らが爺様を止めることなどできようか? いや、できません。

朝倉の白い爺は富山城付近に迎撃に出た神保軍をあっさりと壊滅に追い込み、
それに付き従う富田政景の凄まじい槍衾が富山城の城門を破壊し、
神保家はなにも出来ぬまま朝倉家に吸収されたのでした。

こうして越中を制圧した朝倉軍はそのまま能登へと侵攻、
能登七尾城に篭る畠山軍は朝倉軍の侵攻を阻もうと砦や櫓を建築しますが、

 「ふ、このようなもの足枷にもならぬわ!」

まさに一蹴すると迎撃に出陣した畠山軍を返り討ちに、
鶴翼の陣で富田政景の槍衾之三を
次々と連鎖させる朝倉軍を止める手立ては無いのです。

 「殿、七尾城を攻略しました。」
 「う、うむ、爺様、さすがに早いな。」

もし、止める手立てがあるとすれば、甲斐の虎か、越後の龍か、
それとも自ら魔王と名乗る男になるのか、まだ薩摩にいる鬼か、

 「この程度、朝倉家に仕える爺にとっては当たり前ですじゃ。」
 「そう言えば快川紹喜殿が八十一難経(寿命延長・九等級)を持ってきたぞ。」

もしくは老衰か、

 「これはありがたい。さっそく戴きます。」

と、その時、
七尾城攻めで手薄となった富山城に向けて飛騨から三木軍が攻め込んできたのです。
ああ、なんと命知らずな人たちでしょう。

 「爺様、た、大変じゃ。富山城に敵襲じゃぞ。」
 「ふむ、その様ですな。」

八十一難経を読んでふむふむと納得している爺。
これで少しは寿命が延びます。が、

 「いや、落ち着いてる場合じゃないぞ、早く押し返さねば!」
 「イエス、マイ・ロード。」

お前、何人だーっ!
七尾城を攻略したばかりの爺様はその軍勢をすぐさま富山城への救援に出し、
自らも軍勢を指揮し富山城を救ったのですが、

 「朝倉家に仕える爺として、もうひとつ手柄を立てるのじゃ。」

と、ばかりに退却する三木軍を追って飛騨桜洞城へと侵攻。
さっきまで元気よく攻め込んできていた三木軍は急に沈黙し、
城に篭るのですが時既に遅し、

 「先程は富山城へお越しいただき誠に有難うございます。」

右手に太刀を、左手に脇差を、背には槍と矢筒を背負い、腰には弓をさげ、
兜から跳ね出る白髪の先には短刀を結った完全装備爺参上。

 「しかしながら、我が方は留守にしており失礼しました。」

爺の身体から立ち上る蒼い揺らぎ……。

 「ここでたっぷりとお礼をさせて頂きます。」

朝倉軍、突撃開始ーっ!!
富田政景の槍衾之三を中心に城門を叩き壊し城内へ、
自らの主君を守ろうとする城兵もなんのその、
ちぎっては投げ、ちぎっては投げする爺。

この一戦で三木家を吸収した朝倉家は、
越前、加賀、越中、能登、飛騨を有する一大勢力となったのです。
安心したのか朝倉孝景は自ら隠居し、嫡男朝倉義景が当主になりました。

 「爺様、これからはワシが朝倉家の当主じゃ、よろしく頼むぞ。」
 「イエス、マイ・ロード。」

これより、朝倉家は快進撃を始めることになります。
ですが、それは以下次回というコトで……。


     〜〜〜主な出来事〜〜〜


   1546.01 信長元服よりゲームスタート。

    47.06 本願寺の尾山御坊(加賀)を攻略する。

    48.07 神保家の富山城(越中)を攻略する。神保家滅亡。

    49.05 畠山家の七尾城(能登)を攻略する。畠山家滅亡。

     .09 快川紹喜から八十一難経(寿命延長・九等級)を購入。

    50.01 三木家の桜洞城(飛騨)を攻略する。三木家滅亡。

     .05 孝景が隠居し義景が当主となる。