降り注ぐ矢は雨の如く「毛利元就 プレイリポート」(その3)




     室町幕府の黄昏(1553年8月〜


お隣の大内家と仲良しさんな毛利家。
同盟が切れそうになると有り余る軍資金をいくらでも融通して同盟延長をします。
おかげで毛利家は後顧の憂い無く東へ、東へと進んでいけるのです。
ふと気がついてみると、毛利家も随分と東西に長く拡大したもんです。
目と鼻の先に都が見えてきているではないですかっ!
そう、毛利家の諸将は着々と上洛の準備を整えている今日この頃なのです。

 「まず、京都についたら東映太秦映画村に行くんですよね? 父上?」
 「なんか修学旅行気分だな、お前。」

人生が他の兄弟より短い兄としては出来るだけ楽しまないといけません。
隆元が修学旅行気分なのも仕方ないのです。
旅行に行ったら観光地の木刀を買ってしまうくらい仕方ないのです。

 「兄上、木刀じゃなく弓矢を買おーぜ。」
 「そうですよ兄上、せっかくの毛利家プレイですから、」

観光地で弓矢を売っているなんて聞いた事もありません。
それにしてもこの時代に映画村があったとして、
どんな映画を撮っているんでしょうね?
時代劇といっても、やっぱ鎌倉時代、平安時代モノとか?
あぁ、室町時代の話だと最近過ぎるかな……。

   つーか、まだ室町幕府は終わってません。

 「わはははは、終わるどころか復活してやるのだ。
  どうだ、お前も復活させてやろうかっ!?」

聖飢魔IIならぬ幕末に現れた一人の剣豪将軍こと足利義輝。
あとは潰れるのを待つだけの室町幕府を見事に盛り上げています。
伊賀大和の筒井城を攻略し、さらに伊勢志摩の霧山御所まで手中にし、
いまや近畿地方の一大勢力となっています。

普通、このあたりで巨大化するとしたら三好だよね?
その三好は何を思っているのか四国で暴れまくっています。
長宗我部家を滅ぼし女王様……失礼、元親が主力武将に名を連ねています。
まぁ、それはそれで怖いんですけどね。

そのほかにも本願寺の部隊やら、本願寺の軍事施設やら、
更には本願寺の石山御坊なんかも見えて来るんですが、
こいつら潰しても旨味が無いんだよね。
良将が多くて一見美味しそうに見えるけど石山御坊落とすと北陸に行っちゃうからね……。
兵士数だけ無駄に溜め込んで固いんだこれが、

じゃぁ、どこかに手薄なところは無いのか?
もちろん、ちゃ〜んとあります。
一色家と波多野家が壮絶な殴り合いをしていました。
殴り合いをしている両家の背後から弓で撃ち抜いてやりましょう。
丹後若狭の弓木城(一色家の居城ね)を兵士数が少ないから弓で城兵を直接狙う作戦。
いちおー諸勢力の「たたら場衆」をお抱えして育てているから、
戦場には呼んでおくんだけどね。

今度は壮絶な殴り合いをしていた相手の方も潰しちゃいます。
波多野家の所領である丹波の八上城へと侵攻開始!
前述通り兵士数が少ないので弓で城兵を狙いつつ、
たたら場衆を育てるために呼んでおくとっ、

 「父上、はやく時代劇の撮影現場を見に行きましょう!」
 「だから何故そんなにテンション高いんだよ、お前は?」

はやく太秦映画村に行きたいと逸る隆元、
しかし丹波を攻略したのち、我らが毛利家にちょっかいを出してきたのが本願寺。
やっぱり山城に入る前に片付けないとダメっぽいです。
守りが無駄に堅いから相手したくないなぁ。
ですが、丹波と摂津の境界線付近で町並の奪い合いが始まりました。

本願寺が町並を奪えば毛利家が部隊を出して追い払う、
何度も繰り返すのが面倒なので近くに支城を作って駐屯しておきたいところ、
しかし、その築城部隊を邪魔しにやってくる本願寺。
おのれ、おのれ、おのれ、初級のくせに生意気です。

面倒だし兵糧も無駄遣いになっちゃうから嫌だけど、
今回はしっかり護衛部隊をつけて築城します。
元春が築城をして、それを護衛しつつ進軍する父ちゃんと隆景……。
あれ? やっぱり兄上はお留守番?

 「ん? 元春、隆景、どうせならココに城を作ったら?」

隆元が指差すは摂津、丹波、山城に接する池田城。
しかし、このルートに足利将軍家は街道を作っていないのだよ。
足利家は街道が繋がってないからなのか、室町御所の防御は手薄。
この位置に築城すれば石山御坊にも室町御所へも侵攻が楽になりそう。
やるじゃん、兄上!

 「剛の吉川、柔の小早川、そして天才な兄。」

いや、そこまで天狗になられても困る。
つーか、そんな余裕がある築城でもないぞ。
築城されたくない本願寺軍が早速邪魔しに来ました!

あらかじめ派遣しておいた護衛部隊の弓矢が唸りを上げて敵に突き刺さります。
ところが相手は鉄砲隊。お返しに鉛の弾が飛んできます。
……なぁ、これって普通に考えたら大敗するんじゃね?

 「父上、あれです、ほら、得意の『鬼謀』で恐慌状態にして下さい。」
 「よし、任せておけ。」

自信満々な父上。

 「そういえば父上って、どうやって敵部隊を恐慌状態にするんだろう?」

考えて見れば相手だって幾多の戦場を潜り抜けてきた武将たち、
どうやって恐れ慌てさせるのでしょう?
ちょっと覗いてみましょう。

 「夜にどうしても眠れなくて厠に行ったんですよ。
  するとね、中庭の前をどうしても通らないといけないんです。
  中庭には古くから使われている井戸がありましてね。
  なんか気になるんです。いつもは気にならないのに不思議なんですね。

  すると、井戸の方がぼんやりと白く光っているんです。
  いやだなー、いやだなーと思いつつも目が離せなくなるんですねー。

  ぼんやりとした光は段々と形になっていくんです。
  人間の形、どちらかといえば女性、まだ若い娘なんです。
  もうね、不思議なことに足腰が動かなくなっているんですよ。

  その娘はね、何かを数えているんです。お皿です。
  いちま〜い、にま〜い、さんま〜い、よんま〜い、ごま〜い、

  早く逃げたいのに身体が固まってしまっているんです。
  このまま数えているのを見ていてはいけないと本能は解っているのに、
  目はどうしてもその娘を見つめてしまうんです。
  ろくま〜い、ななま〜い、はちま〜い、きゅうま〜い、」

これは何ですか?
稲川淳二の怖い話ですか?

 「……じゅうま〜い!」

つーか、しっかり全部あるのかよ。

 「なんて恐ろしいんだ。おしっこ漏れちゃうぜっ!」
 「馬鹿者、隊列を乱すな、敵の策だ!」
 「うぉー、こんな怪談、聞いたこと無ぇぞーっ!」

わたしも初耳です。

 「さすが父上、敵に回すと恐ろしい人だ。」

こうして池田城を築城した毛利軍は、
戦力を池田城へと集中させ、それを足掛かりに石山御坊を攻撃。
対尼子戦以降に仲間となった尼子国久、本城常光は足軽部隊を指揮し、
たたら場衆と壮絶な城への攻撃を繰り返し、
空を見上げれば雨あられの如く矢が降り注ぎ、
兵士の多く篭る堅固であった石山御坊を攻略したのでした。

これに困ったのは足利将軍家、
その主力を伊勢志摩に置いていたが為に山城は手薄。
池田城から新たな道路を作って山城へと侵入する毛利軍をどうにか止めたい。

 「ぬはははは、お前も切り刻んでやろうか?」

怒れる剣豪将軍、足利義輝は、
伊勢志摩から伊賀大和を経て山城へと援軍を繰り出す。
しかし、これが小勢で何回も運んでいるもんだから各個撃破できちゃうんだな。
街道を繋ぎ終えた毛利軍は大軍を持ってこれらを押し返す。

 「決まり手は『よりきり』」

閣下は相撲好きだもんね。
この戦いの後、伊賀大和、伊勢志摩へと後退を繰り返す足利将軍家は、
伊勢志摩の支城、長島城にて降伏したのです。
こうして室町時代は幕を閉じたのでありました。

この一連の戦いの中で一人の英傑が逝きました。
尼子国久、足軽適性Sで武勇も91を誇る足軽部隊のエース。
あぁ、もう少し長生きして欲しかったよ……。

でも足利家を滅ぼしたんだから良い武将が手に入る。
義輝本人も優秀だし、義秋(のちの義昭)も賢い、
細川藤孝も高い次元でバランスが取れている内政官としても有能な人だね。
しかも、今回の足利家は筒井家と北畠家を滅ぼしているから、
島清興や滝川一益、北畠具教と良い武将が揃ってる。
これは嬉しい。以下、新しく配下となった主な武将の一覧ね。
括弧の中は装備している家宝の分だよ。

         統率    武勇    知略    政治   戦法
  足利義輝    74     107(+10)   45     56   槍衾之極
  足利義秋    28     14     92     82   同討

  細川藤孝    75     70     89     106(+8) 同討
  島清興     90     103(+7)   74     41   八幡之備

  滝川一益    89     87(+6)   84     54   連撃之四
  北畠具教    70     105(+8)   21     50   槍衾之三

また、この他に毛利家独自技術「百万一心」(弓隊の足止・動揺を防ぐ)を取得。
これでウチの弓隊はまた強くなった。
あーだ、こーだ言いながらも山城の国どころか伊賀大和、伊勢志摩まで手中にした毛利家、
このまま順調に勢力拡大して行きたいところ、
ところが、ここで火急の知らせが飛び込んでくるんだな。

 「殿! 三好、斎藤、朝倉、織田によって毛利包囲網が敷かれたとの事!」

うーむ、勢力的に一番怖いのは四国を統一している三好かな、
ウチは水軍関連の技術を伸ばしていないから、
村上水軍の戦力を勘定しても瀬戸内海でドンパチするのは厄介です。
幸い、大内家とは同盟関係にあるので四面楚歌という状態ではないのですが……。

 「父上、東映太秦映画村に行くのを忘れてました!」
 「いや、それ、もういいから……。」

以下次回に続きます。


     〜〜〜主な出来事〜〜〜

   1553.08 丹後若狭へ侵攻し弓木城にて一色家を滅ぼす。

    54.04 丹波へ侵攻し八上城にて波多野家を滅ぼす。

     .10 池田城を築城する。

    55.01 摂津へ侵攻し本願寺の石山御坊を攻略す。
        たたら場衆および周辺兵力を総動員した戦いとなった。

     .07 山城へ侵攻し足利家の室町御所を攻略す。

     .09 大内家と同盟を延長す。

     .11 尼子国久が死亡。

     .12 伊賀大和へ侵攻し足利家の筒井城を攻略す。

    56.04 伊勢志摩へ侵攻し足利家の霧山御所を攻略す。

     .05 足利家が降伏。

     .07 毛利家独自技術「百万一心」を取得する。