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唯一部隊 「上杉謙信 プレイリポート」(その2)
宿敵の誰か(1560年〜
武田家の侵攻スピードはそれほど遅いワケでも無いのですが、
長尾改め上杉群の侵攻スピードはまるで火のようです。
風林火山で言うと現在の上杉リプレイは「火」のみですね。
「次の相手は、武田、武田……し、しんげ……しげ?」
御屋形様、もうちょっと、もうちょっと頑張れ!
正解まであと少し、終生のライバルの名前くらいは覚えよう。
ほら、あんた、お中元(?)で塩を送ったりしたじゃん、
宅急便(?)の宛名くらいは書いたでしょ?
「……武田……軍の篭る古河御所を攻撃する!」
あー、やっぱり思い出せなかったんだね。
「うわ、こいつ、途中で誤魔化しやがった。信玄ですよ、信玄。」
宇佐美の爺さんも呆れ顔です。
そういえば、いつもは毘沙門天に戦勝祈願するんでしょ?
最近、敵地からの出陣続きでまともに参拝していないんじゃ?
「……ペルソナ……。」
それは別のゲームの話だとツッコミ入れるその前に、
謙信のその意味不明な南蛮語と同時に彼の背後に浮かび上がる神々しい御姿。
おお、これこそ毘沙門天、すげぇ、謙信のペルソナは毘沙門天だったのか!
「むしろ、この謙信が毘沙門天そのものなのだ!」
おー、こりゃ大きく出たね。
ま、それくらいでないと上杉騎馬隊の強さは上手く説明できないわな。
こうして上杉固有技術【軍神】まで手に入れて、
気が付いたら【牧場】【蹄鉄】【旗指物】【耳覆い】【良馬生産】……、
お、技術も5つ以上開発終了しているじゃないですか、
更には柿崎景家、南部晴政、村上義清の3人が騎馬適性『S』なので、
引き続き【拍車】【赤備】の開発に着手、騎馬隊最強を目指します。
まず技術5つを6年以内っていう目標達成だね。
次は武田家の深志城を10年以内で攻略できれば期間限定の縛りは達成だ。
手始めに古河公方を滅ぼした武田家に天誅を下すべく、
我らが軍神率いる上杉騎馬隊は古河御所に向けて出陣っ!
「久しいな、謙信。」
イメージ的に白い謙信にイメージ的に赤い信玄、これって、わたしだけ?
どーしてもガンダム好きとしてはガンダムとシャア専用MSに見えるんですけど、
なんか、赤と白っていうのはライバル的な色なのかねぇ?
「……爺や、こいつ誰だっけ?」
「御屋形様、信玄に御座います。」
こら、そこで小声で聞くな。
ライバル同士の渋いシーンが台無し。
「そうじゃったな、謙信殿は無駄なお喋りは嫌いじゃったな。」
苦笑してみせる信玄ですが、
残念ながらお喋りが嫌いなのではなく、
あんたの事を忘れていただけです。
「……将ならば戦で語れと、ならば行くぞ、謙信!」
勝手にベラベラ喋る五月蝿い信玄は、
信玄率いる騎馬隊と、夜叉美濃の異名をとった猛将、原虎胤率いる足軽隊、
さらには誰だか忘れたが弓隊まで出陣、いかん、いかんぞ、
こちらは唯一部隊、敵が複数だと殴られっぱなしだ。
しかも宇佐美の爺の【混乱】あたりを戦法に入れておけば良かったのに、
いままで通り調子に乗って【車懸り】以下全部が騎馬戦法だよ……。
「喰らえ! 武田騎馬隊の威力を見よ!」
敵の戦法きたー!!
喰らって動揺したら大ピンチ!
「効かぬわ!」
謙信かちーんと弾いた!
偉い、さすが軍神様!
「喰らえ槍衾!!」
えーい、小五月蝿い足軽部隊め!
お前らこそ喰らえ【車懸り】だーっ!!
「き、消えた? 虎胤ほどの将が率いる部隊が一瞬で吹き飛んだだと?」
信玄の握る軍配が震えます。
そしていつもは明晰な頭脳も焦りによって狂ったのか、
「連邦のMSは戦艦並の騎馬隊を持っているのか!?」
信玄さん、それって何かと混じっています。
ぶるんぶるんと、頭を振って変な考えを追い出す信玄。
えぇぃ、我らとて天下に名高い武田騎馬隊、負けてたまるか!
「御館様! 奴ら化け物です! ここは一旦退くべきかと!」
夜叉美濃だって立派な化け物だけどな。
まさに龍の如し、虎が爪で切りかかっても牙で噛み付いても、
そんなことは知ったこっちゃない。
髭でパチーン。尻尾でバーンと弾き返します。
城門が突破されそうなのに気付いた信玄は慌てて城内に戻り、
後詰の兵の到着を待つのですが、
「御館様! 城門が突破されました!」
うそーん。
まだ城門はピンピンしているハズだぞと、
我が目を疑う信玄、それもそのハズ、城壁を馬で駆け上ってくる謙信。
城門をひとっ飛びで乗り越えてくる謙信。城内でも馬で暴れる謙信。
ハチロクが溝落としでインを抜いていくくらいビックリ!
シャア専用ザクがガンダムを蹴ってもビクともしないくらいビックリ!
ビックリマンチョコを買って最初の一枚がヘッドシールくらいビックリ!
迫り来る謙信。振り下ろされる太刀、軍配で受け止める信玄。
まさか、まさか城の中でこんな名場面が!!
「ふ、やってくれる、謙信め!」
多分これは信玄の精一杯の強がりです。
天下に名高い武田信玄、いまはボコボコにやられているけど、
これは精一杯の見栄をはっているんです。きっと、
「爺や、この人、誰だっけ?」
「は、信玄殿で御座います。」
だから、そこ、小声で確認取らないで!
こうして古河御所は落城、信玄は撤退し快勝をおさめました。
なんだ、あんなに怖かった武田も上杉を使っていると怖くないなぁ。
こんだけの武威を見せ付けられたら他の小勢力なんかどうしようもない。
里見家、佐竹家は次々と降伏し時代から姿を消していきました。
前回の太田家リプレイではあれだけ火事場泥棒で苦しめた二勢力ですが、
謙信の破壊力の前にはあまりに無力。
後顧のほんのちょっとした憂いを取り除いた上杉軍は、
武田軍の箕輪城、岩付城も謙信隊のみで攻略成功。
もう誰も止められないのか?
しかし、ここで難題が発生します。
上杉謙信隊の最大兵数は化物のような統率と、
役職『関東管領』によって二万強率いる事ができるのですが、
武田軍はやっぱり上杉軍の障壁ですよ。
躑躅ヶ崎館にはその兵数より多い六万の兵力が、
深志城にも六万の兵力が駐屯しており、
如何に軍神と言えども下手に突っ込めません。
その十二万全てが一斉に襲い掛かってくるとは思えませんが、
相手は武田騎馬隊、その半分の六万だとしても脅威です。
それこそコチラも現在技術開発を担当している猛将たち、
柿崎、南部、村上を横に並べて武田軍と壮絶な殴り合いをすれば、
……そりゃ勝ちますよね。技術も上、動員できる兵力も上ならね。
全兵力では上杉二十万(ほとんど敵から吸収した兵力)に対し、
武田は十五万、普通にガチンコ勝負なら勝てるんだけどなぁ……。
さて、どうしようか?
こっちが下手に動けない事を知っているのか、
武田のおっさんは築城部隊を箕輪城から北、春日山城の南に派遣。
せっせと上杉攻略の為に築城しているのです。
すっげムカつく!
解かっていても手が出せない。攻撃できる部隊は謙信隊ただ一つ。
ここまで強くて強くて、このまま楽勝かと思っていた上杉リプレイ最初のピンチです。
春日山城のすぐ隣の新発田城では技術開発中、ここが襲われたら技術開発も中断。
それは阻止しなければなりません。ならないのですが動けない。ムカつくーっ!!
よし、こうなったら春日山城に兵力を集中させ、
武田軍に襲われても良いようにしておこう。
城兵の頑張りで武田軍を……確実に追い返せないよな。
城に追い込まれてしまった篭城軍は次々と戦法を喰らってどうすることも出来なくなる。
篭城というのは後詰部隊を待つための時間稼ぎ戦術でしかないんだよ。
その後詰部隊となるのは唯一動ける謙信隊二万強。
でも落ち着いて考えてみてくれ、春日山城を攻めようと六万の兵力を動員する武田軍。
後詰は謙信隊だけ、春日山を救援しに行く謙信隊。
ところが相手は六万、こっちは僅か二万、包囲されてボコボコにされる軍神……。
……ダメじゃん。良いイメージがわかない。
八方塞、それでも謙信は前に進むしかありません。
といったところで以下次回です。
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