滅びの道の向こう 「太田資正 プレイリポート」(完結編)




     同盟切れの向こう側(1566年〜


上杉との同盟が切れるまで残り一ヶ月。
常陸太田城から出陣した太田資正隊。
古河御所から出陣した佐竹義重隊、結城晴朝隊に挟撃された宇都宮家は滅亡。
なんだ、意外と簡単に行けたじゃん。蘆名も急いで助けに来たみたいだけど、
太田城から出陣した太田資正隊が邪魔したせいで上手く行軍出来なかったんだろうね。

 「ガハハ、ほら、わしの言うた通りじゃ。」

業正が近寄ると妙に寒気がするので、太田家臣のみんなは嫌がるのですが、
邪険に扱うと呪われそうで怖いので大人しく従うしかありません。
それに、まぁ言っているコトは間違っていないので、いいんですけど、
とりあえず、速攻で宇都宮家を滅ぼした太田軍、
宇都宮家を攻めている途中で上杉家との同盟は切れました。

 「攻められたら瞬殺されそうで怖いよ〜。ぐすっ、ぐすっ」

大丈夫、領土の広さだけは上杉に勝っています!(ダメじゃん)
安心して夜も眠れない日々が続きますが、
高水寺城に駐屯する実の息子(かわいい方)の梶原政景から早馬がやって来ました。
すわっ上杉との全面抗争かと肝が冷える太田家の人々ですが、

 「父上、元気にしてますか? 政景は元気です。」

そんなのに早馬を使うな!

 「冗談はさておき、上杉勢の輸送隊七万が
  新発田城から檜山城を目指し行軍との報が入りました。
  上杉方の狙いは石川城か、ここ高水寺城かのどちらかだと思います。
  ここは輸送隊に先制攻撃の許可を下さいますよう。」

……山名リプレイで似たような光景を見たなぁ。
あの時は二十万の輸送部隊。今は七万だけど日本全国どこの軍勢を見ても、
ひとつの拠点に七万なんて兵士は今のところ考えられない。そんだけ多い。
こいつらが檜山城に入ったら、確かに石川城も高水寺城も危ないなぁ。

 「馬鹿な父親から生まれて来たとは思えぬ、出来たお子様じゃの〜。」

だから業正が近寄ると寒いんだってば、
こりゃラッキーだとばかりに梶原政景に出陣を命じる。
それにしても七万か、すごいなぁ。上杉家って、
太田家の全兵力は約十八万、上杉家の全兵力は約四十万、普通に戦ったら勝てないや。
でも、この輸送隊を完全に喰っちゃえば、かなりの旨味ですよね。

同時に石川城から南部晴政らに騎馬隊を指揮させて出陣、
檜山城への街道を封鎖しちゃいます。
あと、無理矢理攻略した土崎港も太田家のモノだからね、そっからも部隊を派遣。
こうして上杉輸送隊を完全包囲で殲滅ですよ。

この時、上杉軍が駐屯する檜山城には僅か七千の兵士しかいない上に、
山形城にも一万ちょっとしか兵士を置いていなかったんだ。
だから上杉軍も助けに行きたくても行けない。
味方の輸送隊が潰されるのを指をくわえて見ているだけしかないのさ、

この戦いによって檜山城への補給は無し!
たった七千の兵力だったら怖くない、石川城から、高水寺城から、
ワラワラと太田軍が大量出陣、一気に檜山城、山形城と南下して行きます。

そしたら、あんた、
今回のリプレイの合言葉は『火事場泥棒』なのでしょう。
武田軍が上杉領に侵入して大暴れ、
春日山城を奪い、柏崎港を奪い、挙句の果てには新発田城まで強奪。
それまで天下の第一勢力であった上杉軍をバクバク喰いまくって、
いつの間にか武田軍の大逆転っ!!

 「お、おのれ信玄!」
 「やるか? 謙信!」

なんか甲信越地方は怪獣大戦争。
お互い一歩も譲らず殴り合いが始まりました。
北陸地方にも勢力を伸ばしていた上杉軍も一時は武田に追われましたが、
一旦落ち着くとやっぱり強い、今度は反撃とばかりに春日山城奪回に燃えます。
今まで太田家の頑強な抵抗に領地を思うように広げられなかった武田軍は、
ここぞとばかりに手薄な上杉領を攻略しまくり、
さらには上洛に成功した今川軍の手薄な領土を侵略しまくり、

   合言葉は『火事場泥棒』!!

もう止まらない、止まるわけには行かない。
逆に領土を東海から京まで横に長く持っていた今川軍は、
兵糧や金銭に困って、なんと織田家に潰され滅亡、
天下第二の勢力に成長した今川軍があっけなく滅亡。
今回のリプレイ、どうなっちゃうんだ?

 「義父上、あの、楽しそうに見ていないで、我らも動きましょう。」

忘れてた!
この天下の大混乱、引き起こしたのは太田家だろうけど、いまが躍進のとき。
上杉家が武田家と争っている間に蘆名家を全力で滅ぼしてやろうじゃない。
関東、東北で遊んでいる兵士を一点集中させて蘆名軍が篭る黒瀬城を一斉攻撃。

 「政景、晴朝、義重、一斉に掛かれ〜!」
 「おぉ! 資正殿が予想外に立派に指揮を執っている! 明日は雨じゃな!」

だから業正が傍にいると寒くて雨じゃなくて雪になりそうだよ。
あ、まさか資正の魂をちょっとづつ吸い取っていないよな?
そんな事は、いまはどうでもいいやっ♪
とにかく春日山での武田、上杉の激しい攻防を尻目に、
ひっそりと蘆名家を攻め続ける太田家、

 「つーか、父上はそれがしのコトを忘れていますよね?」
 「あれ? 氏資いたの?」

こんな扱いだから息子がグレるんだよ。
実の息子である氏資は父親に嫌われていたから北条方に寝返り、
父と弟を城から追放したんだよね。実際は、

 「いいんだ、いいんだ、いつものコトだもん。う、うぅ、ぐす。」

なんと、しかし、氏資は太田固有戦法【駄々っ子パンチ】の後継者だったのだ!
上泉信綱大先生を引き連れ氏資隊は黒瀬城に接敵、喰らえ【駄々っ子パンチ】!!

 「うぉー、乱戦を喰らえーっ!!」
 「うわぁーーん、父上のバカー、父上なんか大嫌いだーっ!!」

氏資隊の【乱戦】【駄々っ子パンチ】【槍衾】の連鎖により黒瀬城は壊滅、
(ちなみに、良い子は信じたらダメだぞ。)
石垣も門も天守も下手すりゃ味方まで切りまくる上泉信綱大先生の暴れっぷりと、
実の父親でも手が付けられない駄々っ子と、
更にはなんか寒気がする呪われた太田軍が相手ではさすがの蘆名止々斎もお手上げです。

 「また、つまらぬモノを斬ってしまった……。」

    ちん、

と鞘に斬鉄剣を収める大先生。かっこいい、渋い、素敵だよ。
なんつーか、今回のリプレイで先生がいて良かったと思うよ。だってマトモだもん。

 「ぶらぼーっ!! メチャかっこいいぜーっ!!」

だ、誰だ!
そんなワケの解からん南蛮語は!?

 「この止々斎、太田軍の足軽隊の働きに感動した。
  そして信綱殿の太刀さばき、さすがに天下に名高い剣聖。
  うん、足軽、やっぱりいいね! これからは足軽技術の時代だよ。
  上杉騎馬? 武田騎馬? そんなの関係ない、これからは太田足軽!」

なに興奮しているんだ止々斎、
あ、こいつ足軽適性【A】だったよな、太田資正も【A】なんだ。
旧里見家臣の正木時茂は【S】ちなみに長野業正も【S】だから、

 「わし、死んでるけどな。」

業正はともかく、
つまり足軽適性を上げるアイテムが二つ程あれば、足軽技術を最大まで上げることも可能。
ちなみに大先生も適性は【A】だから別にいいんだけど、政治力が無いからなぁ。
技術開発に混ぜるのちょっと嫌だったんだよね(^-^;

 「ほら奇天烈斎と【斎】繋がりだし、この止々斎さまの発明をみよー! みたいな……」

止々斎さまはコロ助でも作るナリか?
太田家固有技能【コロ助】所属武将の語尾が全員『ナリー』になる。
つーか、変なもん作らないで……orz


     天下の英傑達の向こうへ(〜プレイ終了


さて、蘆名家を滅ぼした太田軍は春日山で戦っている武田、上杉両軍を尻目に、
ひっそり、こっそりと新発田城を火事場泥棒したナリ。
一応、いまのところ武田家のモノになっていた新発田城だったけど、
流石にお隣の春日山城で天下分け目の合戦をやっているせいか、
ほとんどお留守だったので、楽々ゲット出来たナリ。

 「義父上、ここは上杉、武田の隙を突いて一気に柏崎港を攻めるナリ。」

さすが冷静な晴朝ナリ、柏崎港を攻略すれば東北の各港から兵士と物資を運送できるナリ。
その兵力を持ってすれば武田、上杉と言えども恐るるに足らず、
今こそ天下分け目の合戦の火事場泥棒をする時ナリ。

 「我が終生のライバル、上杉謙信との決着も近いナリな。」

義重も気合が入るナリ、つーか、いつから終生のライバルになったナリかっ!?
勝手にライバル関係を作るな! 熱血スポ魂バカ義息!

 「終生のライバルなら正面から戦うナリ、バカ義弟!」

それが出来たら苦労しないナリ、
ま、晴朝も承知で言っているナリね。
というワケで、ここぞとばかりに火事場泥棒で柏崎港を攻略、
続けてモノ凄い争いになっている春日山城へとこっそり侵攻開始ナリ。
もちろん狙うは城に篭る武田方の城兵のみ、作戦はいつもの奴、先生お願いするナリ。

 「わかったナリ!」

……もう駄目ナリ、太田家臣一同大爆笑ナリ。
解かってはいるけど、仕方ないナリ、自動で語尾にナリが付くナリ。
こうして太田軍は六万の兵を持って春日山城に攻撃するナリ。
城さえ獲ってしまえばコッチのもの、一斉に攻撃を仕掛けるナリ。

 「おのれ、何処から沸いて出てきたんだ!」

武田信玄の怒号が聞こえるナリ。

 「太田資正、卑怯なりっ!」

お? 信玄にも感染したナリか?
なんか嬉しい資正、なんかバカにされたような気がする信玄。
攻撃対象は太田家、上杉家なんてどうでも良い、信玄の軍配が返ろうとしたその時、

 「行くナリ! 乱戦、喰らうナリーっ!!」

上泉大先生の斬鉄剣が閃く度に敵兵は倒れ、城壁は壊れ、城門は崩れ、
体育館横のトイレには超元気な幽霊軍師が出現したり、
その他モロモロな超常現象が発生するナリ、
労せず春日山城へと入城しちゃったりする太田軍。
まさに卑怯なりナリー。だけど勝ちは勝ちだから堂々とするナリ。

 「ナリナリ五月蝿いナリねぇ。」

さっきまで武田軍に所属していたが、
落城に伴い太田家に投降する兵士達ナリ、

 「うわ、オレらにもナリが染ったナリ、嫌ナリ、嫌ナリ、うわぁぁ〜んナリ〜。」

そりゃそうナリ、お前らも今日から太田軍の仲間ナリ。
つーか、このままだと誰も募兵に応じなくなったりして、困ったナリ。
でも、あの元武田兵士、すごいナリ、仲間になった途端、
太田固有戦法【駄々っ子パンチ】も習得したナリ。

 「あの、殿、非常に言い難いんですが固有技術【コロ助】ってウソですよ。」

止々斎が申し訳なさそうに言う。
……なんですとー? あ、ホントだ、語尾にナリがついて無い!

   止々斎、卑怯ナリー。

ともかく、こうして武田、上杉両軍にちゃっかり大ダメージを与えた太田軍。
今回のリプレイは日替わり天下、泥棒天国、
この戦いで天下第一の勢力は、なんといつの間にか太田家に、
こりゃビックリ、ドッキリ、絶対ありえない。

 「この勢いで今こそ北条家を潰しましょう。」

集団催眠に掛かっていた晴朝も無事復活。
それは良い考えだと太田軍の武将は民族大移動で懐かしの岩付城へ、
武田、北条への防衛線として堅城に育て上げ鉄砲櫓と罠の火薬の臭いでいっぱい、
そんな岩付城へと戻ってきた太田家の人々は、その火薬臭い兵士達を引き連れ小田原出兵。

どんなに北条家が強くても天下第一の勢力である太田家に対し、
武田と同盟を組んでいるが為に、最初から今まで大きく成長できなかった、
内政と築城が得意なだけの一国の勢力じゃ相手にならない。

 「ガハハ、火薬臭い兵士に触れると爆発するぞ〜。」

と怪情報を流しつつ進軍する太田軍と幽霊軍師長野業正、

 「どうじゃ、ワシの策で北条軍も近寄ってこないぞ。」

いや違う、申し訳ないが違う、ただ単に幽霊であるアンタが怖いだけなんだ。
さすがの北条氏康も怖いし兵力の差が明らか過ぎるしどうする事も出来ず小田原落城。
氏康、下田港へと逃れても既に再起不能で太田家に降伏でございます。

 「これで業正も安心して成仏できるな。いままで有難う。あなたのコトは忘れない。」

資正、勝手に業正が成仏しちゃった事にしているけど、
長野家と太田家の宿敵北条家が滅亡しても業正はピンピンしているんだな、
死んだのにピンピンしているって日本語的にどうかと思うけど、

 「成仏? しないぞ。 まだ武田が残っておる。」

邪魔、近寄られると寒いし、
五月蝿いし、怖いし、どうしたらいいの?
そうか、武田を潰せばいいのか!

 「そうじゃ、武田じゃ、武田を滅ぼすのじゃ!」

はい、次は武田〜。

 「ちなみに武田には呪いを掛けておいたのじゃ!」

うわ、怖ぁ〜。
どんな呪いを掛けたのさ、
それって、どんなコマンドを選べば掛かるのさ、
とにかく武田さんも戦意喪失、勢いってのは恐ろしいもんで、
一躍天下人となった資正、そして太田軍はガンガン南下し、ガンガン西進し、
武田信玄、上杉謙信、北条氏康をそれぞれ配下に加え、
寿命延長の家宝を彼らにそれぞれ授与。

 ……もう負ける気しねぇ。

港ぐらいだと、謙信の【車懸り】から戦法が三連鎖になると吹飛ぶんだね。
信長、秀吉、家康も配下に加えて……余程の事が起こらないと負けない。
で、余程の事を起こしそうな勢力も無し。
進軍しては城を落とし、城を落としては進軍する。
こうして1577年、太田軍は太田幕府を開き天下統一したのです。

 「ぐすっ、ぐすっ、うぅぅっ」

あれ? 上様?
天下統一したのに何で泣いてるの?

 「……業正が成仏しないよ〜。困ったよ〜。毎夜来るんだよ〜。」

それで入道して三楽斎になったんだね……。
と、いったところで今回のリプレイは終了。
終盤は通常のパワープレイになってしまったので省略しました。