なんとなく剣を手に取ってみました。「今川氏真 プレイリポート」(その1)




     なんとなく剣を手に取ってみました。(スタート前


今川氏真と言えば和歌や蹴鞠などの遊興に溺れ国を滅ぼしたというイメージが強い。
確かに彼は奸臣を重用したり重臣の粛清をするなど、
悪いイメージが付き纏うが文化人としては優秀な人だったと思われる。

そもそも戦国モノのドラマでは、氏真のお父さんである義元ですら、
信長の急襲を受け、なす術も無く大軍を敗北に追い込んだという、
いわゆる桶狭間の戦いという、たった一つの「敗戦」から、
大国としての驕りから公家っぽい生活を好んだ腐敗した武家というキャラ扱いです。
でも、これはちょっと可哀想な気がしますよね。
個人的には政治的にも軍事的にも優秀な戦国大名の一人だと思うんですがねぇ。

そんな訳で今回の主人公は今川氏真。
どうしても上記のイメージが強く軟弱で暗愚な感じがしてならない彼、
しかし、彼だって蹴鞠では日ノ本一(?)の猛者ですよ。

 「ボールは友達」とか言うサッカー少年の元祖は今川氏真でしょ?(違
 「鞠は友達、ボールは親戚」そんな感じですよ、えぇ。

つまりは太閤立志伝Vで蹴鞠天下一を狙うというのが今回の目標です。
並み居る強豪をバッタバッタと『頭上蹴』で倒すのです。
リプレイ中盤では転校生の岬くんとの『二人蹴』を編み出し、
ライバルの日向くんは『虎蹴』を放ってくるに違いありません。
決勝戦は天皇の前での天覧試合、これはかなり燃える展開になりそうです。
さてさて、今川氏真の「蹴鞠技能」は幾つだったっけかなぁ?

   んなもん無ぇよ。

うぉぉぉぉぉぉっ!
あらゆる天下一を極められる太閤立志伝Vにあっても、
氏真の素晴らしさを表現出来ないのかっ!? こんちくしょーっ!
最大のアピールポイントを潰され、わなわなと怒りに震える氏真、
こうなったら敢えて父の仇の織田に仕えて天下統一か?
それとも自らの力を誇示すべく今川で天下統一か?
いや待てよ、それが一番の手段か?
色々と想像しながら氏真はPS2版太閤立志伝Vのマニュアルをペラペラと読む。
どうするのが自分の軟弱で暗愚なイメージを払拭できる最高の手段なのか?
軟弱で暗愚という不名誉な称号を消し去るような、そんな道の究め方は無いのか?

 「ん? なんだ、天覧試合ってあるじゃん。」

氏真の顔がパァっと明るくなりました。それと同時にマニュアルを投げ捨て、
どこかへと出掛けて行く軟弱で暗愚な氏真、
それを不思議に思った早川殿(奥さん)が、
おそらく氏真が読んでいたであろう頁を覗き込むと、

 『剣豪:天下一になるには? 天覧試合で優勝する。』

…………これって蹴鞠じゃ無ぇよ。
早川殿の顔がみるみる内に青ざめて行きます。
ちびまる子ちゃんで言うと顔に縦の線がビッシリです。

 「なりませぬ、ムリです。絶対ムリですっ!!」

必死になって後を追う早川殿。
まるで裸足で駆けてく国民的某主婦のようです。
果たして氏真は得意な蹴鞠ではなく、
剣豪として剣術の道を究めるべく天覧試合で優勝できるのでしょうか?

とまぁ見た感じ、かなり無茶な目標かも知れませんが、
剣術は塚原卜伝に新当流を学んだでいたので実は結構強かったのかもしれません。
能力値も以下のように(おもいっきり妥協して)剣豪向きです。

  能力値 統率13  武力57  政務62  知謀17  魅力40
  技能  足軽0  騎馬0  鉄砲0  水軍0  弓術0  武芸1
      軍学0  忍術0  建築0  開墾1  鉱山0  算術0
      礼節4  弁舌0  茶道3  医術1

しかし、今回選んだシナリオは『覇道の章』なのです。
今川家は既に滅んでおり主人公の氏真は小田原にて浪人の身……。
城主なり大名であれば能力値の鍛錬も可能ですが氏真は浪人。
技能の修得は可能ですよ。でも武力57って天覧試合に出ちゃダメでしょ?
しかも『覇道の章』では剣の師匠である塚原卜伝は既に死んでいるから困ったもんだ。
そのものズバリ前途多難な氏真の戦いが、いま、始まります。
(病み上がりでこんなバカ企画、ちょっと後悔気味です。)


     まずは何から始めようか?(1575年〜


家を飛び出した氏真、飛び出したものの何から始めたらいいのか解らない。
剣豪って何? 剣豪って何をしたら良いの?
だってオイラってば天下の新当流の弟子だよ。
これ以上強くなっていいの?

てな具合にメチャクチャ勘違いしている氏真の腰には脇差一本。
どこにでもあるような普通の脇差一本。
一度は上洛を目指した今川家の倅が普通の脇差一本。
これじゃ恥ずかしくて天覧試合なんかには出られない。

 「あ、そうか、すごい刀を手に入れよう。」

昔だったらパパに買ってもらったり、
家臣から献上されたりと、黙っていても手に入ったであろう名刀などなど、
しかし今は浪人ですからね、自分の力で手に入れて貰いましょう。
オススメとしては京の町の商家『茶屋』にある「定利」あたりが良いと思うんだ。

 「でもお金が無いんだよなぁ。」

浪人だから所持金は20貫、これじゃ何も買えないよね。
定期的にお金が入ってくるような定職にも就いていない。
フリーター、ニート、そんな感じ?
働いて安い給料を貯めて……なんてコトは面倒で仕方ない。
なにしろ一時は大名だったんだから、
そこで氏真、無い頭で一生懸命考えた。

 「作っちゃえ。」

その辺の店に売っている名刀って言ったってね、たかが知れているんですよ。
なんつっても氏真の武力は現在57しか無い。
+10クラスの業物でやっと武力67、
とてもじゃないけど天覧試合に出るようなレベルの人間じゃない。
ドラゴンボールで言えばヤムチャのポジションですよ。
氏真は小田原の町の鍛冶屋さんに一直線。

 「おっちゃん、カッコイイ+20の刀くれ。」
 「オレが欲しいくらいだ!」
 「それじゃぁ刀を作る方法を400文字以内で教えてくれ。」

その後、ボコボコに殴られて顔の形が変になった氏真は、
泣きながら鍛冶屋さんで下働きをしたとさ……。
剣を使う道も長いけど、剣を作る道も長いんだよねぇ。
野山をかき分け砂鉄を収集し、炭薪を買う為に使いっ走りをしたり、
それまで比較的自由に生活していた氏真にとっては辛いお仕事だけど、
これもカッコイイ刀を手に入れる為の試練なのです。

 「おまえさま、せっかくアチラコチラお歩きになるのでしたら、
  交易品を売り買いすれば儲かるそうですよ。」

うわ、ビックリした。
心配で追いかけてきた早川殿のさりげないアドバイス、
定職に就いていない氏真には確かに大事なコトです。
簡単に言えば、その町に売っているモノを買って、
それが売っていない町に持って行けばそれなりに儲かるんです。
特に染料なんか軽いし利幅が大きいしオススメです。

京の茜を買って石山か堺で売るのが基本ですよね。
氏真の本拠地は小田原だから木更津の山桃とか、佐倉の藍なんかが狙い目かな。
こうして少しづつ稼ぎながら下働きを繰り返し鍛冶屋への道を歩き始めた氏真。
世間では長篠の戦いで織田が勝ったとか武田が負けたとか、
そんなビックニュースが駆け巡っている昨今ですが鍛冶屋見習いには関係ナッシング。

 「よーし、今川氏真、最近頑張っているようだから農具の作り方を教えてやろう。」
 「農具? なんと、この氏真に鍬や鍬で戦えというのか?」

そういう意味じゃないと思うんだけど、

 「だったら農具なんてどうでも良いから刀を作る方法を教え(ボカっ)」
 「そんなに簡単に刀を作れると思ったら大間違いだ。」

世間では上杉家が上洛を開始したとか、
そのあと、すぐに上杉謙信が病没したとか、
そんなビックニュースが……ま、氏真には関係ないんですけどね。

 「よーし、今川氏真、最近頑張っているようだから製鉄の方法を教えてやろう。」
 「製鉄? 鉄の塊で対戦相手を殴るのか? それは痛そうだが野蛮だな。」

いや、そういう意味じゃないと思うんだけど、

 「だったら製鉄なんてどうでも……良くないんだろ、わかってる、わかっているぞ。」
 「うむ、それじゃ刀の作り方も教えてやろう。有り難く思え。」
 「よし、これで天覧試合は氏真のモノだな。」

ムリ、お前の腕じゃムリ、
どんなに頑張ったって、逆立ちしたってムリ、
剣を作る力だって未熟だし、武力も低いし、武芸技能だって1だよ。1っ!

 「天覧試合は京の都で行われるんだよな。早速引越しだ。そうだ、京都に行こう。」

微妙にどっかの旅行会社のキャッチフレーズっぽいような気がする台詞を吐きつつ、
意気揚々と引越し作業を進める氏真ですが、
まず落ち着け、自分のステータスと持っている札を確認してみろ。
京都に行く前に岐阜あたりでもう一度で良いので下働きしなさいって、
鍛冶屋のおっさんにしつこく言われて渋々岐阜の町の鍛冶屋で美濃伝を取得。

 「今度こそカッコイイ刀を作って、わしの華麗なる武芸で天覧試合にっ!」

じゃぁ試しに作ってみろよ。カッコイイ刀とやらをよ。
自宅に開いた鍛冶場で『トンテンカン、トンテンカン』と鉄を打つ音を響かせる。
おぉ!? なんだかそれっぽいぞ。カッコイイじゃないか氏真。

 「出来た! これぞ愛刀『今川丸』だ!」

価値2の駄作。そのへんの店にも売っている普通の刀。
これじゃお前のヤムチャ並みの武力ではムリ、いやいや、ヤムチャに失礼だ。
剣を作る道も中途半端、剣の道も下の下でしょ?


     ---これまでの流れ---


1575.04.05〜 小田原の町にてゲームスタート
       鍛冶屋へ行き『砂鉄採集』の札を貰って砂鉄探しの仕事を請負う

  .05.16〜 小田原の鍛冶屋にて『炭薪購入』の仕事を請負う
       費用として200貫預かり、所持金222貫となる。

  .05.19〜 交易品で稼ぐ(木更津の山桃、佐倉の藍、厩橋の蒟蒻、江戸の海苔)

  .06.01  長篠の戦い

  .06.02〜 小田原の鍛冶屋にて刀製作手伝い

  .07.02  『農具向上』の札を貰う

  .07.06〜 引き続き小田原の鍛冶屋にて下働き
       (砂鉄採集・炭薪購入・刀作成手伝い)

  .09.01  上杉謙信 上洛開始

  .09.12  『たたら製鉄』の札を貰う

  .11.17  第二次木津川の戦い

  .11.30  刀鍛冶『相州伝』の札を貰う

  .12.02  京の町へ転居

  .12.05〜 岐阜の町の鍛冶屋にて刀製作手伝い

  .12.25  刀鍛冶『美濃伝』の札を貰う

1576.01.01〜 自宅に鍛冶場を開き、刀を製作する(価値2)『職人』称号札を取得