竜が目覚めるまで「伊達晴宗 プレイリポート」(その2)




     緊急特別インチキ大作戦(1574年〜


仕方ない、こうなったら最後の手段だ。
ちょっと前のセーブデータに戻る。
武田の第二波が攻め込んでくる寸前に偶然に取っていたデータに戻り、
武田軍の先鋒一部隊を執拗に狙って壊滅に追い込み捕虜ゲット。
これを使って停戦に漕ぎ着けると、
すぐさま部隊を編成して武田軍が駐屯する小高城に部隊を派遣。
そ、停戦を延長し続けるのさ、名声は地に落ちるだろうけど、
これで絶対安心だからね、これより8年くらい、
ずっと部隊を武田領内に待機させておく、
停戦相手なので計略も掛けられない、
定期的に士気を回復させる為に【激励】を使い続ける。

政宗登場まで他国侵略禁止。これは侵略とは言わないよね?
でもかなりのグレイゾーンだよなぁ。
でも、もうコレしか生き残る手段はないし、
もう手段を選んでいる場合じゃないよ。

ちなみに『侵略』とは、
他国の主権や領土を侵す、または内政干渉の為に武力を行使することだから、
言葉の上では条件違反ではないよね……だぶん……。

1574年からずっと停戦を延長している為に、
1576年には名声がついにゼロになり、
民の忠誠度の回復量が月+1となった。
これで募兵は事実上ムリとなった、というのも、
上杉家から執拗に【扇動】を掛けられているんだ。
もう無茶苦茶な感じ、でも、武田との停戦が効いたね。
武田が防波堤になってくれたお陰で、
現在すごい勢いで巨大化しつつある本願寺と戦う事もない。

ずっと武田領に待機している部隊に【激励】を使い続け、
それ以外は鉄砲の調達くらいしかやることが無いまま過ごす、
暇、暇、すごく暇、

そんな長い時間を乗り越えて1582年、政宗がついに登場。
この時点で気になる勢力分布は以下の通り、

九州から、四国、中国地方西部が島津80万、
近畿から関東まで本願寺90万、
関東北部から東北南部に急速に失墜した武田80万、
山形、秋田付近に上杉10万、
それ以外に南部10万、

我が伊達家は岩出山城と塩釜港に12万で健在。
さて、これからどうやって生きていくかが問題になる。
技術はそこそこ成長しているが、名声はゼロ、
武田との停戦が切れた瞬間に滅ぶのも解っている……。
どうにか北東北を制圧するのが先決だろう。
出来れば武田と同盟を結びたいところだが、さてどうなることか、
次回から、ついに政宗が乱世に挑みます。

 「伝令! 政宗様、高水寺城にて南部勢撃破に御座いますっ!」

早っ!!

----- 主な出来事 -----

1574.12 停戦延長大作戦を開始する
  76    名声ゼロになる
  80    大浦為信が謀反を起し津軽独立
  81    津軽滅亡
  82    伊達政宗登場
  82.03 南部支配下の高水寺城を攻略



     独眼竜が目覚める時(1582年〜


政宗は片目が見えない事をかなり気にしていた。
すっごいコンプレックスだったと考えられている。
見た目も醜いし視界も人より狭い。
読者の皆さんも片目を瞑ってみようか、
瞑った片目の方向から殴りかかられたら避けれないよね?
なにしろ見えてないんだから、
人間の視界は180度以上あるけど、政宗には120度くらいしかないんだ。
命のやりとりをしている戦国武将としては視界が狭いのは厳しいだろうな。
敵に斬りかかられても避けれないんだからね。

そういったコンプレックスからか幼少期の政宗は内気な少年だったらしい、
それを心配したんだろうね。
父の輝宗が虎哉和尚を招いて教育し片倉景綱(小十郎)を守り役とした。
こうして勇猛で逞しい青年へと成長していった政宗は、
奥羽では革新的な考えを持つ武将となり周辺大名家を次々と撃破していくんだけど、
時既に遅し、天下は豊臣家のものとなっていたワケで、
あと十年早く生まれていれば歴史は変わっていたかもしれない。
本人曰くは二十年早く生まれていれば天下をとれたそうだけど、
歴史にifは無いからなぁ。

いや、でもホント、せめて十年はやく生まれて欲しかったよ……。
粘りに粘った一回の停戦で武田を釘付けにしていた伊達家の名声は地に落ちて、
その武田は80万という、とんでもない兵力を抱えているんだよ。
まともに戦ったら一瞬で消えてなくなる伊達家は、

 「とにかく武田家と同盟を結ぶのが先決じゃ。」

と主張する稙宗の曾爺ちゃんに従って、
いそいそ中野宗時は武田さん家に交渉に行くワケですよ。
だけど、

 「伊達家は全く信用できん。」

と、信玄公はご立腹、そりゃそうだ、
捕虜を帰してもらって一回停戦しただけなのに11年もの長い間、
領内に伊達軍が待機しちゃったもんだから動くに動けない武田軍。
おかげで天下で最も強かったハズの武田家は、
伊達家が気になって進軍スピードが大幅に低下、
今の天下第一の勢力は本願寺家になってしまったのよ。

 「いや、そこを何とか……。信用して戴く為に人質も用意しますし、」

それを聞いた信玄公、ニヤニヤと笑うのよ。
じゃぁ、困るような人質を要求してやろうと考えているのさ、
武田家の家臣たちもそれを察してクスクスと笑いやがる、
ふざけるな、そりゃ伊達家は天下に名高い武田家と違い、
領国ひとつ本城ひとつ港ひとつの弱小勢力だけど、
人材だけは他家には負けない、ひとりやふたり人質に取られても、
なんの心配も必要ないくらい人材には恵まれているんだ。
ほら、誰でもいいから言って見ろよ、信玄。

 「それでは稙宗殿を人質に戴こうか?」

は? いま何て?
すみません、よく聞き取れませんでした。

 「おや、若君は目が不自由だそうじゃが、使者殿はお耳が遠いようじゃの?」

人質は稙宗。伊達家を支える智将の一人にして、
伊達家の一門、御隠居、御意見番、そんな人を人質に取る?
だけど、いま武田と戦ったらジリ貧だし、
このまま停戦状態を続けるために部隊を置きっぱなしにしておいては、
伊達家の名声の回復は絶望的になる。

 「わ、わかりました。稙宗様を人質に出しましょう。」

伊達家には古き言い伝えがあります。
『若き竜が天に昇らんとするとき、智の者、馬の元に下る』と……。
いやウソだよ、信じたらダメだよ。
とにかく、これで武田と五年間は戦わずに済む、
その間に政宗、成実、小十郎を主力とした伊達軍は三戸城、久慈港と制圧。
漆黒の鎧を際立たせる金の縁取り、
ただ派手なだけでなく、センスを感じさせる色使いの一団。
若き伊達軍団は、そのままの勢いで大浦城へと雪崩込む。

しかし、そんな火事場、奪うしかないとばかりに猛スピードで邪魔しに来るのが上杉軍。
武田軍に打ち負かされて檜山城と山形城と新発田城しか持っていないけど、
騎馬技術はチャッカリMAXの軍神様は、鉄砲隊メインの伊達軍より早く大浦城に到着、
派手なパーティーを先に始めていたりするんだな。これが、

 「面倒だ、撃て撃て撃てーっ!!」

もう考えるのも面倒なので、政宗の号令の元、とりあえず自軍以外は全て敵と、
手にした火縄銃をバンバン撃ちまくる伊達軍だったりするんだよ。
上杉騎馬隊? 南部騎馬隊? そんなの知らない。
津軽為信に計略系戦法を弾かれたりしたけれど、
基本的に頭の弱い南部家が混乱したり、上杉軍がチャッカリ大浦城を奪取したり、
色んな事があったけど、最終的に勝てばいいや。

 「あんな耐久力の無い城に篭ったって仕方ないだろーが、バーカ。」

城を奪われた悔しさ、なんかチャッカリ城から弓を撃ってくる苛立たしさ、
なんかあの謙信とかいう白い奴がムカついた政宗ですが、
政宗の言う通り耐久力の無い城に篭ったって、石垣すらない城に篭ったって、
我らが政宗軍団の鉛の雨には通用しないのさ、

 「二段撃っ!!」 バーンバーン

これが天下最強と言われた軍神様? なんだ、全然大した事ねぇじゃん。
政宗軍団はケタケタ笑いながら大浦城ゲット。もう止まらない、止まれない、
そのまま十三港を攻略し、蝦夷へと逃げ込んだ南部家を追撃、
函館港をとりあえず落としちゃえと、

 「若様! 大浦城に敵襲ですっ!」

なんと、バカにされて悔しかったのか上杉謙信ご本人様、
またも大浦城攻略に出陣されたのですよ、

 「気にするな、あの白いオッサンだろ?
  鉄砲隊を小分けにして出陣させれば問題ない。」

大浦城に到達した上杉騎馬隊は必死になって城門を殴るのですが、
城の上に展開している鉄砲隊はその数1万、部隊数は10部隊。
騎馬隊ひとつひとつを各個に撃破しちゃう。
騎馬隊は部隊に対する攻撃力は高いけど破壊力は弱いからねぇ。
城門突破に時間がかかるんだよ。
慌てず騒がず各個撃破が一番有効だったりするワケだ。

 「この伊達の糞餓鬼め! これでも喰らえ!」

そしたら、ついに白いオッサンは【破城槌】まで持ってきたよ。
でもバカだね、バカ過ぎ、上杉騎馬隊の良さが全く出ていないよ。
上杉は騎馬だから怖いのに【破城槌】って……。
今度は城に接近させないように城外に討って出る。
【破城槌】は破壊力満点だけど部隊に対する攻撃力は弱い。
まったく、白いオッサンも戦下手になったもんだ、
上杉騎馬隊の中に【破城槌】が紛れ込んでいたら怖かったのに、
単発で出されたら狙い撃ちだよなぁ。

こうして上杉軍の猛攻を一波、二波と撃退したころには、
南部家滅亡、南部晴政や津軽為信といった優秀な武将を配下にし、
若き政宗軍団は帰ってきました大浦城、これで何も怖くない。

 「おのれ糞餓鬼、我らは一騎となろうと諦めぬぞ!」

また来たよ白いオッサン、しつこいなぁ。
何度も押し返している内に上杉軍も兵力が切れたのか、
なんと謙信一部隊で僅か五千で攻めてきた。
おいおい、謙信のオッサン、気でも狂ったか?
こんな鉄砲だらけの城に単独部隊で来たら狙い撃ちだってば、

 「果たしてそうかな?」

【破城槌】を破壊すべく城から出ていた伊達軍に迫る白い影、
城の上から離れたお前が悪いのだとばかりに触れた伊達軍の各部隊が蒸発していく、
ちょっと、ちょっと、待てよ、全軍退けってば、

 「えぇぃ、我らとて退かぬぞ!!」

退けよ成実、その頭の毛虫を捨てて逃げろってば、
もうね、なんちゅー攻撃力なんだよ、と、どういうイリュージョンなんだよ、と、
全軍を退かせて謙信に城を殴らせ城の上に鉄砲隊配置、
これでようやく謙信隊を撃破、ほら、やっぱり上杉騎馬隊は野戦でなくちゃね。
メチャクチャ怖かった。

 「……は、はは、やっぱり白いオッサン、大したことねぇじゃん。」
 「そうだな、ちょっとだけ痛かったけどな。」

これぞ独眼竜お得意の『へそ曲り』の術。
おしっこ漏らしそうなくらい怖かったけど、それは認めず見栄っ張り、
甚大な被害に頭がクラクラしてるけど、想定範囲内だと引きつり笑い、
恐怖のあまり膝がガクガクしているけど、それを小十郎に支えて貰ってたり、
成実の兜に光っているハズの毛虫の前立も何処かに逃げてスッキリしていますが、
次は上杉軍が待つ檜山城へと攻め込む覚悟です。

 「え? マジで? ど、ど、どど、どうする成実!?」
 「やめようよ、あの白いオッサン、絶対変な薬使ってるってっ!」

え? なに、あんたらビビってるの?

 「び、ビビってねぇよ。なぁ、成実。」
 「あ、ああ、当たり前じゃねぇか、あはははは。」

とりあえず、こうして動き始めた若きへそ曲り竜は、
大丈夫なのかと頭を抱える小十郎を尻目に胸を張っているのですが、
このまま上杉軍を撃破して来るべき武田軍との戦いに臨む事が出来るのか?
活躍の場がほとんどない爺ちゃんと父ちゃんの心境は?
武田に取られた人質の曾爺ちゃんの運命や如何に?

ちなみに未だに名声ゼロ、本城を5つも支配しているのにね。
表示はゼロだけど実際はマイナスなんだろうな。
いつになったら名声が戻ってくるのかなぁ?
そんなこんなで以下次回です。

----- 主な出来事 -----

1582.01 伊達政宗登場
    .03 南部支配下の高水寺城を攻略
    .04 武田家と同盟を締結する
    .05 南部支配下の三戸城を攻略
    .07   同   久慈港を攻略
    .12 上杉支配下の大浦城を攻略
  83.04 南部支配下の函館港を攻略
    .07   同   徳山城を攻略
    .07 南部家滅亡